第四章第二十一話 ページ21
そのあと、空港にパクノダが来て交渉成立。
クロロとパクノダにはジャッジメントチェーンが刺され、パクノダは０時までにゴンとキルアを連れてくるためにすぐに空港をあとにした。
捕まった時から薄々感じてた違和感、それは旅団は非情なだけの組織じゃないこと。
「センリツさん、ちょっといいですか？」
私はセンリツさんを飛行船の誰もいない部屋に呼び出す。
「貴女が聞きたいことは何となくわかるわ。クラピカのことね。」
さすがセンリツさん。
心音だけでそこまでわかるのか。
「....私がリトルリカバリーをしたときのクラピカの心音が知りたいんです。」
ほんとに、聞いていいのかな。もしこれで、クラピカの心音が悪いものだったら、私はどうしたらいいのだろうか。
ほんとに、リトルリカバリーをやってよかったのか。
「本当のこと、言ってもいいの？」
センリツさんを見ると、じっと私を見つめる。
ああ、この人の前ではウソをつけない。
「悩んでいるんです。リトルリカバリーをやって良かったのか。........一思いに教えてください。」
「....申し訳ない、そんな心音だったわ。」
「多分、貴女の気持ちに気付いてるんじゃないのかしら。貴女もクラピカに対して申し訳ない気持ちだったでしょ？」
「あ、あはは、私って顔に出やすいですか？」
「どちらかというとね。」
ふふ、と笑うと「大丈夫よ。」とセンリツさんは続けて言った。
「クラピカは、貴女のこと嫌いになったわけじゃないわ。」
嫌いになってない。
その言葉で一気に肩の力が抜け、近くのソファーに座り込んだ。
ボフンと沈み混んでいく体。
「そっか。」
センリツさんはそんな私を見ると、私の隣に座る。
「貴女の心音は、揺らぎが大きい。けどその揺らぎを理性で塞いで誤魔化す。........それは時に自分を苦しめるわ。」
苦しめる....？？
「私、怒りたいときは怒りますよ？」
結構短期だって言われるし。と考えているとセンリツさんは思いもよらないことを言い出した。
「そうね、例えば....キルアくんだっけ？あの子のこととか。」
ついさっき力が抜けたと思ったのにすぐに足に力が入り、立ち上がる。
「一気に心音が大きくなったわね。」
「貴女、あの子のこと....」
センリツさんが続きを言おうとしたとき、私はセンリツさんの口を手で塞いだ。
しかし、すぐに手を放す。
「それ以上言わないで....。」
「....そういうところよ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月16日 17時
