第四章第十七話 ページ17
「キルア....これって....」
私は目を疑った。
昨日までいた場所、旅団のアジトが昨日とはどこか違うのだ。
場所....？いや、そんなわけ....
「建物が増えてる....！！？」
私達は急いで建物の近くに行く。
「明らかに昨日までなかった建物が密集してる！！」
「念だね....具現化かな。円の役割もしてたら厄介だよ。」
キルアは円？と首をかしげるが、そのよりもクラピカにこの事を知らせるため電話をかける。
私はキルアが電話をしている間、誰か来ないかを見張る。
私の円は半径三メートル。四角の多いこの場所でしかも三メートルはあってもなくても一緒だ。私がもっと円を大きく出来ればいいのだが。
そう考えながら見張っていると、電話が終わったのかキルアが私の横へ来て、「さっきの監視点に戻るぞ」と走り出した。
そのあとを追う。
監視点に戻ってから五分後、電話がかかってきた。
「もしもし、....ああ、あんたは？」
知らない人からだろうか。
キルアはなにかを言われ、左を見る。
私もその方向を見てみると隣の建物に人が立っているのが見えた。
そしてキルアは携帯を切ると私にも聞こえるか聞こえないかくらいの声で右手上げてと言う。
するとその人は右手をあげたのだ。
隣の建物と言っても結構離れてるし、この天気だ。すごい地獄耳。
「あの人と合流しようか。」
「おう。」
★
「足音からみて相手は五・六人。女も混ざってる。こちらとは反対側に向かっているわね。」
彼女の名前はセンリツさんというらしい。
とても耳がよくて、心音も聞けるとか....すごいね。
私達は彼らに追い付くため、走り出した。
★
あれから電車に乗り、旅団が行きたがっているところが明らかとなってくる。
クラピカの仕事で使っているホテルだ。
するとセンリツさんは何かの音を感じ取ったのか焦って私達に言った。
「クラピカとゴンが旅団と出くわしたわ！急ぎましょう！」
私達はすぐに二人のもとへ向かう。
そこまで距離は遠くなくて、すぐに変装をしたクラピカを見つけた。
ゴンは道路を挟んで反対側のゴミ箱の後ろに隠れている。
旅団は私達に近付いてくる。
クラピカは鎖を出し、戦う気満々だ。
私はその手を押さえる。
しかし、クラピカの気は一向におさまらない。
どうする....どうする....！
「ごめんなさい！もう追っかけないから許してください！」
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月16日 17時
