狩られる者。③ (ページ35)

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第五章第五話ページ35

「私の居ない間にそんなことがあったのか...」

安いホテルの一部屋で、私はゴンとキルアに私の居なかった二時間のことを聞かされた。
プレイヤー狩りのことも、組まないかと誘われたことも....そしてそれを断ったことも。

「Aも断ったことになったけど、よかった？」

「あたり前じゃん！私も二人の意見に賛成だよ。ゲームは楽しまないとね。」

ふかふか...とはお世辞にも言えないベッドに寝転がる。天井には少しシミがあって顔みたい。
その天井を塞ぐようにぴょこっと飛び出してきたゴンとキルア。
ん？話終わったんじゃないの？と不安気味で「な、なに？」と問う。

「俺、Aとも会えて本当よかったよ！」

「....まぁ、俺も。」

な、何なんだこの二人は。突然。
そう言えばこれまでいろいろあった。
ハンター試験で二人とクラピカとレオリオと出会って。
ゾルディック家に行って、天空闘技場で念を覚えて。
私は二人のおかげで過去にも向き合えた。

「A、....泣いてる？」

「泣いてない！！」

私はそう言って起き上がり、二人に優しくハグする。家族みたいなそんなハグ。
少し涙目の顔を見られないように。

「私も、二人と会えてよかった。ありがとう。これからもよろしくね。」

「うん！」

「おう。」

安いボロホテルの一室からは、笑い声が飛び交った。

★

それから四日後、ステージ場の上にはゴンとキルアが立っていて、拳を握り、睨みあっている。

周りには観客たちがちらほらと居て、私はそのなかでどっちが勝ってもいいと思いながら「頑張れー二人ともー」と声をあげた。

「最初はグー！」

「じゃんけんぽん！！」

★

「問題はこのカードをどうやって守るかだね。」

そう。
キルアがじゃんけん大会に勝ったはいいもののこのカードを手にしたことは大勢に見られている。

そして現に、つけられているのだ。

「わかりやすいね～。バレバレ。」

しかし油断はできない。
なにしろ私たちは攻撃を防ぐスペルカードを一枚も持っていないからだ。

しかし、キルアの頭の回転をなめてはいけない。

「だったら＿＿＿＿にすればさ」とすぐに解決策を出してくれる。

ゴンも「じゃこんなのどう？」と策を出し、対策はバッチリだ。

「二人とも....ズル賢いね。」

と話してるとき、一人の男が「待て！そこの三人！」とやっと出てきた。