第二章第十三話 ページ5
「ここに居たのか。」とドアを開けたのは私の服を持ったイルミだった。
あ、そういえば..イルミに私の服取りに行かせてたんだっけ....はは、
すっかり忘れていたイルミの存在。
「えっとー、お風呂探してまして。」
「で、お風呂は見つかった？」
「あ、あはは」
逃げようとするも阻止され、私の服は散らかし、ベッドに押さえつけられる。ベッドからはキルアの匂いが一段の濃く、ブワッと舞った。
弟のベッドで盛るな！！
と言いたかったのだけれど、言えなかった。
真顔なんだけど、何処か寂しそうだったから。
「イルミさん？」
「折角..キルが帰ってきたのに....。」
そっか....
「イルミさんはキルアが好きなんですね。愛してるんですね。」
イルミの手が震えていたので、私は押さえつけられている手を退かし、ベッドに座り直した。
「けど、愛し方がわからないんですよね。」
ベッドに座り込んでいるイルミを抱きしめ、頭を撫でた。
「私の愛され方はこんな感じでした。ぎゅっと抱き締めて貰って、頭を撫でてもらいました。」
「そんで、駄目なことをしたときは、おでこにデコピンされました。」
私は抱き締めるのをやめ、イルミにデコピンをする。
☆
ガシャーーンと家の中で割れる音が響いた。
どうしよう。どうしよう。
私は酷く焦った。
お母さんの大切な花瓶を割ってしまったからだ。
すると、真っ先にそこに来たのは持ち主の張本人であるお母さん。
「ご、ごめんなさい！！」
謝って許してくれるわけがない。
けど、謝るしか方法がない。
私は深々と頭を下げた。
すると、お母さんは「顔をあげて。」と言う。ゆっくりと顔をあげるとふわっと抱き締められた。
「どこも怪我はない？」
そう言って頭を撫でてもらった。
涙が出そうになる。
すると、お母さん抱き締めるのをやめ、私のおでこにデコピンをした。
「花瓶を一人で運ぼうとするからそうなるの。これからは誰か手伝って貰うようにしなさい。いい？」
「....うん！」
花瓶の破片を片付けたあと、買い物に付き合ってと言われて一緒に花瓶を買いに行った。
☆
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月1日 14時
