狩られる者。② (ページ3)

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第二章第十一話ページ3

「えっと、Aっていうの！君は？」

「..カルト。」

「カルト君か！よろしく！早速なんだけど、お父さんの部屋って何処か知ってる？」

私がお父さんの部屋を探してると分かると目の色を変え、手に持っていた扇を私の首元まで持ってくる。

「なぜお父様の部屋を探しているの？」

「..キルアのことで話がしたいの。」

カルト君は扇をもっと私の首元に近づけ、血が出そうだ。

「兄さんは渡さない。」

睨むカルト君。
どうしよう。さすがにキルアの弟さんを傷付けるわけには..

すると、「カル、そのへんにしとけ」と老人の声。

「おじいさま..」

一日一殺と書かれた服を身にまとい、腕を後ろに組んで私たちのところに来る。

「一角族は殺さないと昨日決めただろ。」

カルト君は「はい、おじいさま」とさっきとは別人のように切り替わる。そして何処かへ行ってしまった。

「Aさん。シルバの部屋に行きたいんだろ？ついておいで。」

くるりとまわれ右をして、おじいさんは歩き出した。
私もその後を追う。

「Aさんは、キルが好きか？」

「はい、友達ですもん。大好きです。」

「そうか。」

おじいさんは少し嬉しそうに微笑んだ。
そしてあっという間にお父さん、いや、シルバさんの部屋につく。

ハンター試験の面談の時よりも緊張している。私の一言でキルアが一生出れなくなったらと考えるだけでもう心臓が押し潰されそうだ。

けどうじうじしてられない。折角ここまで来たんだ。

「案内ありがとうございました！いってまいります！」
ノックを三回し「失礼します」と言い、部屋に入る。

「来ると思ってた。」

「けど、その格好で来るとは思わなかったな。」

ははっと笑うシルバさん。
この人に笑われるとめちゃ恥ずかしい！穴があったら入りたい。

「で、キルアのことだろ？」

「はい、お願いします。キルアと旅をさせてください。」

「お願いします」と何度も言って何度もお辞儀をした。これくらいしか、私には出来ない。

シルバさんは少し考えると、「親父、いるんだろ？」とドアを見る。

「なんだ？」と入ってきた。

「キルアを呼んできてくれ。」

「わかった。行くぞ、Aさん。」

「え？あ、はい！」

私はおじいさんに言われるがまま、シルバさんに何も返事を貰ってないのに部屋から出た。
そわそわする。

「大丈夫、心配いらん。もうすぐキルアに会える。」

「え！」

私の心情は一変した。