第三章第二十五話 ページ35
クジラ島にもうすぐつくと言われた私は、船の中から出てきた。
「うわっ！本当にクジラの形してる！」
潮の香りが一面に広がった青い海を一隻の船がこのクジラの形をした島、クジラ島にもうすぐつく。
キルアには連絡してあるから、近くで待っているはずだ。
船が段々島に近付き、私はじっと島を見つめる。
「あ！いた！キルアー！」
大声で叫ぶとキルアは気付いてくれて、手をふってくれた。けど迎えに来てくれたのはキルアだけ。
ゴンは家にいるのかな？
船が無事到着し、船長さんに別れを言うと島に上陸した。
久しぶりの地面に感動。
そして、
「会いたかった。」
二週間ぶりにキルアとの感動の再開だ。
「たった二週間だろ！そんな何年も会ってないみたいに言うなよ。」
「あー、久しぶりのキルアのふわふわ頭〜！」
ワシャワシャと撫でると「やめろよ！」と振り払う。
「ねぇ、ゴンは？ゴンは何処？早くゴンに会いたい。」
キルアの顔色が変わった。「あー、」と言って目をそらす。
「ゴンに会ったらまず謝った方がいいぜ？」
え、私何かしたっけ？と頭を抱えた。
全く身に覚えがない。
「旅に出ること、俺にしか言ってなかったんだろ？」
「え....あ！」
「「俺には言ってくれなかった」とか言ってしょげてたぜ。」
サーッと血の気が引いた。
「キルア！家何処！？走るよ！！」
「言うと思ったー。」
私達は走ってゴンの家へ向かった。
意外に遠かったゴンの家。私は家の前につくと固唾をのみ、考える。
まずはミトさんに挨拶？いや、先にゴンに謝った方がいいか、けど！！
「ただいま〜ゴン。来たぞ。」
キルアは私が考えているにも関わらずにゴンを呼んだ。「ホント！？」とゴンの声が聞こえ、階段を下りてくる音がした。
「A！」
「ゴン！私はゴンとも旅をしたいと思ってて！けど思ってただけで口にしてなくて！！ごめんなさい！！だから私と旅をしましょうお願いします！」
しんと静まり返る。
「いや、謝れとは言ったけど...」と苦笑いとキルア。
「A。」とゴンは私を呼ぶ。そしてぎゅっと手を握った。
「当たり前じゃん！俺は親父を探す旅！キルアはやりたいことを探す旅！Aはどんな旅にする？」
「う、うう。二人を守る旅〜！！！」
そう言って二人を抱き締め頭を撫でる。
すると家から「貴女がAさん？」と女性の声がした。
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月1日 14時
