第一章第三十一話 ページ33
パチパチと瞬きをする。
目の前にいるゴンは、この話を聞いて角を触りたいと言い出したのだ。
驚きを隠せない。
けど、角を触られることに抵抗はなかったため、「いいよ」と一言で了承した。
ゴンの小さな手が私の角に触る。
その手はさっきまでハンター試験で戦っていたとは思えないほど優しい手だった。
「うわぁ！すごい！立派だね！」
初めて言われたからなんて言葉を返せばいいかわからず、「怖くないの？」と聞いた。
「ん？全然！だってAだもん！」
ちらりとレオリオを見るとレオリオもゴンとまったく同じ顔をしていた。
「お前だから大丈夫。」そういう顔。
クラピカはもともとそういう感じだった。
「ありがとう！」と言って触るのをやめるゴン。
いや、ありがとうはこっちだ。
こんな私を受け入れてくれて、優しくしてくれて。
友達っていいな。
クラピカには話していたのだが、私は三人にお願いしたいことがあった。
「これからは、帽子はなるべく被らないようにしたいの。いいかな？」
「え？いいに決まってんじゃん！」
「ああ、勿論だ。」
「その方がAの顔もよーく見えるしなぁ！」
帽子を外すと狙われる可能性が高くなるのに、そんなことお構いなしにOKをしてくれる三人。
その顔は笑顔だった。
「ありがとう。」
私は心をこめて、彼らに言った。
キルア、私達は今から貴方に会いに行く。
いや、迎えに行く。
その時、ちゃんと私のことを話すから。待ってて。
私は、もうただの狩られる者じゃありません。
〜第一章fin〜
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年8月17日 17時
