狩られる者。 (ページ1)

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プロローグページ1

帽子を深く被った少女はふらふらと地を歩く。なにもご飯を食べていないのか、グルルとお腹からはむしの音。

次の瞬間、ほんの一瞬風が強くなり、深く被っていた帽子
がすぐに飛んでいってしまった。

彼女の顔がパッと目に入る。

なぜなら彼女は美しかったからだ。

ブロンドの長い髪がよく映える、綺麗な顔立ち。しかし、町人は顔は勿論、違うところも見ていた。

角だった。

右蟀谷の上から生えた一本の角。それは一角族を現す象徴と言えるだろう。

最近、一角族狩りが行われ、もう滅んだと思っていた一角族。

町の人の目が変わる。

彼女は狩られる者である。

普通の人と少し違うだけで狩りの対象になってしまった。

彼女は町の人達の視線なんか無視し、一つのビルの前に立った。

「..ハンター協会。」

ハンター、それは怪物・財宝・賞金首・美食・遺跡・幻獣など、稀少な事物を追求することに生涯を懸ける人々。

簡単に言うと、狩る者。

彼女は真逆の狩られる者。

狩られる者が狩る者の建物に入るという異常さ。

しかし彼女はそんなことどうでも良かった。
変な町人に何かされるくらいなら、ハンターに煮るなり焼くなりされるほうがいいと考えたからだ。

「おや？一角族のお嬢さんがどうしてここに？」

建物から出てきたのは一人の老人。
彼女は知っていた。彼こそが、探し求めていた人であることを。

「....助けて。」

気持ちとは全く正直なものだ。
煮るなり焼くなり好きにすればいいと言っていたのにこの有り様。

これは、彼女が新しい道へと足を踏み入れた瞬間だった。