狩られる者。 (ページ23)

今日:3 hit、昨日:33 hit、合計:133,807 hit

第一章第二十一話ページ23

あれから私達は自身のプレートを守りながらなんとか一週間、取られることなく済んだ。

「只今をもちまして、第四次試験は終了となります。受験生のみなさん速やかにスタート地点へお戻りください。」

私はキルアとスタート地点に戻り、ゴンたちを待つ。

今のところ六人か..。

まぁ、ヒソカはいるよね..。

ヒソカの嫌な視線を無視し木と木の間をじっと見つめる。

絶対来る。あの三人なら..絶対！

その考えは的中。滑り込みだったが、ゴン、クラピカ、レオリオの三人が来た。

そのあと、私が三人に飛び付いたことは言うまでもない。

★

「キルア、面談って何言われた？？」

「..次なんだし行ってこいよ」

「いや、ちょ！」

キルアにぐいぐいと押され、扉の前に立たされる。キルアはじゃあなと言って何処かへ行ってしまった。

嘘でしょ。

そう、つい数分前、面談を行うと放送があり、番号札順に呼ばれていっているのだ。

キルアの次は私..

いや、この受験生の中で一番ネテロさんと会話してるのは私だし..大丈夫..大丈夫。

呼吸を整えて、ドアをノックする。

「入ってよいぞ」と言われ、「失礼します」と入ってみると座布団の上にあぐらをかいて座っていた。

「まあすわりなされ。」

「は、はい。」と言ってちょこんと座るとほほっと笑われた。

「前まで普通にしゃべっとったじゃろ？普通にせえ、普通に」

「はい」と言いながらもやはり心のどこかではこれが最終試験なんじゃないかとドキドキハラハラだ。

「まず、なぜハンターになりたいのかな？」

「え？あ、狩る者になるためです。」

「..ハンターになっても、お前さんが狩られる者から抜け出すことは出来んよ。」

本当はわかっていた。
クラピカに狩る者になるとか言っときながら、私にこの角がある限り私は狩られる者。

「でも、ただの狩られる者ではありません。ハンターになったら、狩る者にもなるんだから。」

そう言うとネテロさんは声をあげて笑った。

「ふぉふぉ！図太くなったのぉ！よいよい！次！お主以外の九人の中で一番注目しているのは？」

「44番。悪い意味でだけど。」

「じゃあ九人の中で一番戦いたくないのは？」

「全員と戦いたくないですけど..。99番403番404番405番は絶対戦いたくないです。友達ですしね。」

「そうかそうか」とネテロさんは少し嬉しそうだ。

「では、さがってよいぞ」

え、それだけ？

なんて思いながらも私は部屋から出た。