圧倒的想定外な未来２【梟谷】【稲荷崎】

62話 ページ12

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好き？バレーが？


そんなこと考えたこともなかった




「・・分かんないです。でも木兎さんのバレーは見てて楽しいっていうか元気になれるっていうか」


『んー、ならやればいいじゃん？』


「やったとしたら敵ですよ？」


『ナニ？！それはムズカシイな・・』


「ははっ、頭使ってますね」


『Aがマネやったら試合とかで会えるしまた合宿出来るかもしんねーじゃん？』


「そんな理由ってアリなんですか？」


『アリ！また撮ってもらいてぇ！』


「ははっ、らしいですね」


『出来る出来ないの話じゃなくてさ、やれば出来る！！だってAはあんなスゲェ写真撮れるんだぜ？！』


「いやいや、写真とマネは違うじゃないですか！」


『違くねぇって。あんな写真撮れるようになるまですっげー練習したりたくさん写真撮ったんだろ？』


「ま、まぁ、それくらいは」


『ならダイジョーブ！Aなら出来る！！』


「だからその根拠のない自信はなんですか！」


『根拠はある！』


「どこに！！」


『俺が知ってる！！』


「意味わかりません！」


『ダイジョーブ！俺もいるし！だからAもマネしてくれたら嬉しい！そしたら多分もっと楽しくなると思う。そんで、また一緒に写真撮ろうぜ！』


「ほんっと単細胞ですね、木兎さんって」


『タンサイボーってなんだ！』


「ははっ」


『敵とか味方とか、出来る出来ないとかカンケーねぇ！俺は目の前の強い奴全員倒すって決めてるし、Aはずっと俺の写真撮るんだろ？だったらバレー知ってた方が楽しいに決まってる』


「ははっ、そうかもしれませんね」









それから少し話して電話を切る




「ほんっと単細胞、ははっ」







今日は嬉しいことがあったり自己嫌悪になったり、忙しい日だったな



木兎さんにも治にも励まされてむず痒い気持ちだ




こんなやつがマネなんて出来るのか




-- やればできる！



「やればできる、かぁ」








木兎さんがいる、


侑と治もいる、






北さんはみんなのことをバケモノって言ってたけど本当にそうかもしれない



あの日、木兎さんというバケモノに出会って

こっち来てからまたバケモノ達に囲まれてその眩しさに当てられて勝手に比べて自己嫌悪して、



「いい加減変わらないとな」









「やろうとしなきゃできない、よね」



一人ぐるぐると悩みながらベッドに入った

　

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