JAM LADY/横山 ページ9
1人で酒が飲みたい気分やった。
そう考えていると目の前にバー。
気づいたら扉を開けとった。
結構狭いが他の客の質も悪くなく、バーテンも関西人でなかなか馴染みやすいいい人やった。
そしてふわっと甘い香り。
バーテンと親しげに話す美人な女性から香る匂いに女性を凝視してしまう。
目が合うと、ふと思ったよりも幼い笑顔を見せられる。
「よく来られるんですか？」
気づいたら俺は話しかけとった。
「仕事終わりによく来ますよ？家が近いんです、ここ。」
あ、明日早いから今日は帰るね！と、バーテンに挨拶をすると、席を立つ。
「また来てくださいね？って言ってもわたしの店じゃないですけど。よくわたしいるので。明日も。」
それから俺は彼女に会うために予定のない日はバーに通った。
いつの間にかバーテンの安田くんとも仲良くなっとった。
彼女の名前は山田Aちゃん。
メンズ誌でスタイリストをしているらしい。
毎晩ムスクの甘い香りを纏っている。
「あ、今日はA来おへんよ？」
「へ…？いや、別に…Aちゃんに会いに来とるわけちゃうし…ヤスの酒飲みに来た…」
そう言うと俺、そっちの趣味はないねんなぁとニヤニヤするヤス。
俺かて無いわ。てかなんでAちゃんの予定知っとんねん。
そこから数日間Aちゃんは来んかった。
「お久しぶりです」
俺が3杯目の酒を飲み始めた頃、Aちゃんはやって来た。
「やっと来れましたよ〜仕事立て込んでて。」
いつもよりニコニコしてる気がする。
「明日休みなんです！横山さんは明日休みですか？」
「おん、休みやで？」
じゃあ付き合ってください！と顔を近づけてくる。
ああ、ほんまに可愛い。
そこからAちゃんはハイペースに強い酒を飲み結構なベロベロ具合。
かく言う俺もかなり酔っている。
「横山くん、Aのこと連れて帰れる？無理やったら俺連れて帰るで？」
連れて…帰る？
理性が持つ気がせん。やけど、ヤスに連れて帰られるのも嫌や。
「あー俺連れて帰るわ〜…」
なら頼むわぁ〜と締め作業を始めるヤス。
俺もAちゃんを抱えてタクシーに乗る。
連れて帰るとベッドに寝転ぶAちゃん。思わずキスをしてもーた。
これ以上手出したらあかん。そう思ってると目の前に再びAちゃんの顔。
「いいですよ？これ以上手出しても。」
そんなん言われたら止まるわけないやろ？
俺はAちゃんの胸元に手をかけた…
(やっと堕ちてくれた)
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作者名：ちい | 作成日時：2017年9月24日 13時
