JAM LADY/大倉 ページ13
「Aちゃん！お疲れさん〜」
撮影が終わりスタイリストのAちゃんに声をかける。
最近までこの子は俺に気があると思っててんけどどうやら違うらしく、よく見てると男の影を感じる。
自分で言うのもなんやけど、今をときめく人気モデルの俺に靡かんやつなんておるんかと思ったし、実際狙ってオちてなかったんはAちゃんだけやった。
「あ、大倉さんストップ！」
後ろからAちゃんに声をかけられる。
ん？なんや？お誘いか？
そう思ってるとつかつかと俺の元にきてささっと私服を直してくれた。
「大倉さんかっこいいんですから洋服もちゃんとかっこよく着てくださいね！」
衣装に着替えた時にぐちゃぐちゃに脱いでもーたからか…ただこんなできるスタイリストには初めて出会った。
やっぱオトしたいかもしらん。
ご飯に誘っても、飲みに誘っても、Aちゃんは靡かんかった。
衣装を置きに楽屋に来た時に、ハグしてみたけどしれっと剥がされた。
意外と強敵やな…
「なぁ〜Aちゃ〜ん。彼氏おらんて言うてたやん？一杯飲み行こうや〜」
「まだこれから仕事なので！よかったらまた誘ってくださいね。」
いつもこんな調子や。
なんか、俺ばっかり追っかけとらん？
え、俺、なんかAちゃんのこと好きみたいやん？
自覚してから俺は会うたびにAちゃんを誘っとった。
程なくしてチャンスはやって来た。
「なあ、Aちゃん……こっち向いて？」
俺の下にいるAちゃんは可愛くて仕方ない。
いつもは仕事できる女って感じやけど、無防備なAちゃんはほんまに可愛い。
「大倉さん…どいて……？」
涙目でこっちをみてくるAちゃんは煽ってるとしか思わん。
こんなことになったのも、衣装を持って来たAちゃんがバランスを崩してこけたからやった。
「こけるから悪いんやで？」
そう言って俺はずるいかもしれんけどAちゃんにキスをした。
深く口付け、息が乱れたAちゃんは俺の理性を飛ばすには十分やった。
5秒以内に抵抗せんなら、そのまま続けるで？
ほんまにえろい。
「あと1時間か…楽屋でごめんな？てか、Aちゃんも準備あるよな…俺からうまく言っとくわ！」
そう言うと俺はもう一度深くキスをした。
「大倉…っ…さん……っ…」
この子なら何人男がおっても納得やわ。
そこから俺は、Aちゃんに夢中やった。
きっと他の男もそうなんやろうなぁ。
(強引なのも、好きですよ？)
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作者名：ちい | 作成日時：2017年9月24日 13時
