JAM LADY/安田 ページ11
出会いはAがまだスタイリストのアシスタントをしてた頃。
当時のAの彼氏に連れられてこのバーに来たのが最初やった。
美人な雰囲気と可愛らしさが同居するAに惚れんやつはおらんやろうなと思っていた。
「章ちゃん？」
目の前でぼーっとする俺に不思議そうに声をかけるA。
「あぁ、ごめんなぁ〜。どしたん？」
出会った頃を思い出しとったなんて言えるわけない。
「今日は章ちゃんが終わるの待ってるね？」
それは合図で。
俺とAは所謂そういうお友達。
彼女にしたいと思ったことはあったけど、Aを知れば知るほど友達の方がええと思った。
「最近横山さんばっかりだったからね。章ちゃんがずーっと恋しかったの。」
ほんとに罪な女やなぁ。
きっと横山くんも本気で惚れとるやろうに。
「アシ時代から知ってる人はやっぱ特別だからね。」
アシスタント時代を知っているのは数少なくて、俺と幼馴染と同居人の3人だけらしい。
ちなみにその中で関係を持ったのは俺だけとのこと。
「ささっと終わらしてうちで飲み直す？」
そう言いながら締め作業に入る。
Aは相変わらず俺を見ながら酒を飲んでる。
Aのすごいところは、他の男の気配を目の前では出さないこと。ケータイなん弄らん。
俺には他の男の話をするけど。
「終わったで。おいで？帰ろ。」
バーの扉を閉めるとAは手を繋ぐ。
「久しぶりに章ちゃんのおつまみ食べたいなぁ」
「ん？ええよ〜材料家にあったから」
きっと知らん奴が見たら恋人同士なんやろな。
家に着くとAは俺のルームウェアを着てちょこまか動いている。
部屋に来るたびに片付けをしてくれる。
綺麗になった部屋で出来上がったつまみと酒を飲みながらゴロゴロする。
気の抜けたAはほんまに可愛くて。10代に見える幼さがある。
「章ちゃん？」
甘く俺の名前を呼ぶAは酔っている証拠。
「ベッド行く？」
眠そうな目をこすりながら頷く。
めちゃくちゃにしたいと思う気持ちもあるけど、それをも受け入れそうな子やからそんなことはできん。
「ほんまに可愛いわ」
この瞬間は俺だけのもん。
キスを落とすと満面の笑みで首に絡みついて来る。
「章ちゃんもっとして？」
服を脱がせながら深くキスをすると、幸せそうな表情をみせる。
やっぱ体の関係だけやと物足りんなぁ。
そう思いながら今日も暴走気味なモノをあてがう。
(この瞬間が幸せ。)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちい | 作成日時：2017年9月24日 13時
