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さーて、何を食べようかな…
そう思って取り分け用のトングに手を伸ばしたときだった。
"あれ〜Aちゃんだ〜"
そう言って来たのは、お父さんの同期の娘さん、ナナちゃん。
そして、ナナちゃんが従えている女の子2人。
『久しぶりだね、ナナちゃん』
"Aちゃんのお父様、最高裁の判事に昇進されたんですってね、どんな手を使ったのかしら"
『何が言いたいの？』
突然誰かに抱きつかれたかと思えば、直後にパチャンとどこかにワインがかかる音がした。
顔を上げればSPさんと目があって、
「遅くなりました、」
そう優しい声で耳元で言われるから安心して力が抜けてしまった私を抱き抱えて、立ち直させてくれた。
『あ、背中…』
SPさんが少し横を向いたときに見えた、ワインを全面に浴びたジャケット。
『SPさん、背中が…』
「いいんです、仕事なんで。」
『でも…』
急いでハンカチを取り出して、SPさんの背中を拭こうとしたとき、
"ふん、あんたが悪いんだからね！"
そう言って、行こうとしたナナちゃんの腕をSPさんが掴んだ。
「次また何かしようとしたら容赦しませんので気をつけてくださいね、カン・ナナさん…？」
"はっはい…！！"
さっきとは打って変わって青ざめた顔で去って行くナナちゃん。
『何を言ったんですか？』
「いえ、何も。帰りましょう、お送りします」
そう言うといきなり私のことを抱き上げて、会場のど真ん中を歩き始めた。
『あ、あの…！皆様、見てらっしゃるので…！』
「それよりも今はA様が優先ですので、失礼します」
何度文句を言っても聞いてくれなくて、あっという間にエントランスまできてしまった。
『別に歩けたのに…』
「いえ、お気づきになられていないかもしれませんが、ドレスが汚れております。」
『えっ、うそ…』
「ナナ様の他に2人いらっしゃったの覚えていますか」
あー…、
確かにいたけれど…
「あの方々がシフォン素材でA様が気付かない部分にワインをかけておりましたので、その部分が見えない方がA様の威厳が保たれるかと。」
『そ、そうだったんですか…ありがとうございます…』
なんだ、優しいところもあるんだな…
『SPさん、優しいんですね』
「いえ、仕事上A様の身体安全と威厳は保たれるよう努めるのが当たり前ですので。」
あ、仕事人間なの、忘れてた。
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絲(プロフ) - ちむさん» ちむさん、ありがとうございます！最近は私生活が忙しい為、更新がのんびりになってしまっていますがぜひ読み続けていただけたら嬉しいです(^^) (2021年5月8日 15時) (
レス) id: 8cc83a5ce9 (このIDを非表示/違反報告)
絲(プロフ) - ミミさん» ミミさん、はじめまして。このお話を読んでいただき、本当ありがとうございます！そうですね…彼らのこともぜひ見守っていただけましたら嬉しいです(*^^*) (2021年5月8日 15時) (レス) id: 8cc83a5ce9 (このIDを非表示/違反報告)
ちむ - すごく面白いお話なので続きも楽しみにしています！ (2021年5月8日 15時) (レス) id: d99f54052b (このIDを非表示/違反報告)
絲(プロフ) - うさぎさん» うさぎさん、ありがとうございます！頑張ります！！(T-T) (2021年5月5日 22時) (レス) id: c3f123b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 絲さま、はじめまして。いつも楽しく読ませてもらってます！もう一つの恋も動き出しそうですね。ニヤニヤしてしまいます。 (2021年5月2日 21時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絲
| 作成日時：2021年4月10日 23時
