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「着きました」
『分かりました、』
今日は丈の長いドレスを着ている上に高いヒールの靴だから、いつもより歩きづらくて車から降りるにも一苦労だった。
『(はぁ〜、ようやく降りれた…)』
そう思って歩き出したとき、地面の石ころに気づかなくて、危うく転びそうになる。
『ひゃっ』
「大丈夫？」
『へっ………』
一体誰かと思えば、転びそうになった私をSPさんが支えてくれていたんだけど、
『今、敬語………』
そういえば咳払いを一つして、私から離れた。
「今朝、パーティー会場で恋人の役をしてほしいと頼まれたので、ここに降りた際からの方が良いかと思ったのですが、早すぎましたか？」
『あー……』
そういえばそんなことも言ったっけな…
『あ、そしたら大丈夫です、もうお願いします』
「了解しました。行こう、A」
『う、うん』
いきなり敬語がとれて、しかも名前呼び捨てだなんて聞いてないよ……
でも分かっている。
これはお仕事であり、私がお願いしたからやっているだけ。
慌てている心を落ち着けつつ会場内に入れば、いつも通り政界のドンと呼ばれる方々がいらっしゃって、そこに混じってお父さんもお酒を嗜んでいた。
何人か知らない方もいらっしゃるけど、新入りさんなのかな…
『あちらの方、ご存知だったりしますあっ、する…？』
「あの方は、お父様とご一緒に最高裁判事に昇進された方だよ」
『あ、そうなんだ…あとで挨拶した方がいいかなー…』
そうぼやきつつ真ん中のテーブルへ向かえば、美味しそうな料理がいっぱい。
『SPさんも、食べる？』
「名前で呼んでよ」
『えっ』
「恋人なのにSPさんはおかしいでしょ笑」
そう言ってケラケラ笑うSPさんの笑顔が、すっごい、
『かわいい…』
「声に出てるけど」
『えっ、あ…』
「ほら、早く食べたら？」
『はい…』
そう返事したとき、SPさんが突然イヤホンのはまった耳に手を当てる。
何か言われてるのかな…
「お父様に呼ばれたので行ってくるよ。見た感じは要注意人物はいないけど、何かあったらこのボタン押して」
そう言われて、小さな持ち運び式ボタンが渡される。
「これ押してくれたらすぐ駆けつけるから、一応遠くからも見てるけど」
『わ、わかった…』
それだけ残して、SPさんはお父様の元へ早歩きで行ってしまった。
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絲(プロフ) - ちむさん» ちむさん、ありがとうございます！最近は私生活が忙しい為、更新がのんびりになってしまっていますがぜひ読み続けていただけたら嬉しいです(^^) (2021年5月8日 15時) (
レス) id: 8cc83a5ce9 (このIDを非表示/違反報告)
絲(プロフ) - ミミさん» ミミさん、はじめまして。このお話を読んでいただき、本当ありがとうございます！そうですね…彼らのこともぜひ見守っていただけましたら嬉しいです(*^^*) (2021年5月8日 15時) (レス) id: 8cc83a5ce9 (このIDを非表示/違反報告)
ちむ - すごく面白いお話なので続きも楽しみにしています！ (2021年5月8日 15時) (レス) id: d99f54052b (このIDを非表示/違反報告)
絲(プロフ) - うさぎさん» うさぎさん、ありがとうございます！頑張ります！！(T-T) (2021年5月5日 22時) (レス) id: c3f123b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 絲さま、はじめまして。いつも楽しく読ませてもらってます！もう一つの恋も動き出しそうですね。ニヤニヤしてしまいます。 (2021年5月2日 21時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絲
| 作成日時：2021年4月10日 23時
