35 ページ35
.
「血が出れば、本当に狂ってる輩じゃない限り、慌て始めてそこを捕まえられるんですよ、笑」
そう笑って言いながら、私の元へやってきた。
『SPさん、怪我…は……、？』
そう恐る恐る聞けば、SPさんは頭を横に振りながら私の頭に優しく手を乗せた。
「あーもう、泣くなって……」
気づけば私の目からは無数の涙が溢れていて、それを拭いつつ、SPさんは優しく抱きしめてくれた。
「怖い思いさせた、ほんとにごめん」
『…ほんとに、怖かったです…
でもSPさんも頑張ってくれてるって思ったら、頑張りました、』
「うん、本当にえらかった。
けど頼むから、次もしこういうことあったら絶対に一番に助かって、他の人蹴落としてでも、」
そう言われて嬉しいけれど、そんなこと……
『それ、SPさんが言っちゃっていいんですか、？笑』
「公では言わねーよ、けどお前だけ助からなかったとか言われんの一番無理だから、」
いつもは滅多に自分の感情を露わにしないSPさんがここまで言うなんて、とびっくりしてしまった。
『私のこと心配してくださってたんですね、ありがとうございます』
そう肩越しに伝えれば、
「それはお前のSPだから心配するの当たり前。
それにSPだってことを抜きにしたって、俺の頭からお前が離れてくれないんだけど、どうしてくれんの、」
『…えっ、それって………』
「黙って、」
そう言って離れて行ってしまった。
『ちょ、ちょっとまっ…』
"カンさーん、念の為検査受けていただくので、この車に乗ってください！"
『ええ、あ、はーい！』
仕方なく車に乗り込めば、こちらを向いて他の同僚さん？と共に珍しく笑顔で立っているSPさんがいた。
『あとで絶対聞くんだから……』
そう睨んでみていたら、隣から肩をトントンと叩かれた。
"よかった、助かって…"
『ナミちゃん…！』
"あの人彼氏さん？すごいかっこいいね、"
『え、いや彼氏じゃない！』
"ええ？そうなの？笑"
『ほんとだから！』
そう話しているうちに、車は動き出した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 882人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絲(プロフ) - ちむさん» ちむさん、ありがとうございます！最近は私生活が忙しい為、更新がのんびりになってしまっていますがぜひ読み続けていただけたら嬉しいです(^^) (2021年5月8日 15時) (
レス) id: 8cc83a5ce9 (このIDを非表示/違反報告)
絲(プロフ) - ミミさん» ミミさん、はじめまして。このお話を読んでいただき、本当ありがとうございます！そうですね…彼らのこともぜひ見守っていただけましたら嬉しいです(*^^*) (2021年5月8日 15時) (レス) id: 8cc83a5ce9 (このIDを非表示/違反報告)
ちむ - すごく面白いお話なので続きも楽しみにしています！ (2021年5月8日 15時) (レス) id: d99f54052b (このIDを非表示/違反報告)
絲(プロフ) - うさぎさん» うさぎさん、ありがとうございます！頑張ります！！(T-T) (2021年5月5日 22時) (レス) id: c3f123b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 絲さま、はじめまして。いつも楽しく読ませてもらってます！もう一つの恋も動き出しそうですね。ニヤニヤしてしまいます。 (2021年5月2日 21時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：絲
| 作成日時：2021年4月10日 23時
