4 ページ4
.
〈おはよ〜！なんか朝からかっこいい人側にいなかった〜？〉
昇降口で上履きに履き替えていれば、後ろから親友のサラがやって来た。
『おはよう、なんかね、ボディガードがついたんだよね』
〈あーあるあるだよね〉
とうなずくサラもまた政治家の娘で、いわゆるお金持ちだ。
ただ、サラは小さい頃から武道を習わされていたから、ボディガードがつく予定は無いらしい。
『でもさ、その人SPなんだけど、とにかく何も話してくれないんだよね…』
〈あーA、話してないと気が済まないもんね〉
『そんなことないよ！ただ不思議なだけ、普段からあんな感じなのかな…』
〈やっぱり人を守るのが仕事だからさ、気が抜けないんじゃない？
そうなったら仕事に集中しているだろうし、話なんかする余裕ないのかも〉
『でもそれにしても、あんなに無愛想じゃなくてもいいのにな〜、』
そんなことをぼやきながら教室に入れば、今日もまた、御子息による自慢大会が始まっていた。
"こちらの鞄は、シャネルですってよ"
"こちらの鞄は世界に数点しかないヴィトンの限定品ですわ〜"
仮面夫人のような会話が耳に入ってくるだけでも、自分の苛つき度数が上がるのが分かった。
[おい、随分と怖ぇ顔してるけど]
『うるさいハゲジミン』
[一生はげねえけどな]
『ハゲてしまえ』
〈そこら辺でやめときな、笑〉
サラの一言で我に帰り、席に座った。
ここはいわゆるお金持ちのご子息だけが通う、超セレブ校。学費が比じゃないくらいに高額なんだけれど、その代わりに設備は万全だから、政界や会社の社長の御曹司、御令嬢が集まっている。
どこかの会社の御曹司だったはずのジミンとサラとは、中高一貫のこの学校で中学生のときからの仲良し。
周りの大抵の生徒はお金持ちの家に育ったことを理由に、いつも自慢しかしてこないんだけれど、ジミンとサラは全然そんなことなくて、飾らない雰囲気が昔から好きだった。
『そういえば、今夜パーティーあるんだって。』
政界のパーティーであれば、いつもサラと一緒にいたから今夜も、なんて思っていたのに。
〈今日のパーティーは参加しないの、ごめんね〉
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 882人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絲(プロフ) - ちむさん» ちむさん、ありがとうございます！最近は私生活が忙しい為、更新がのんびりになってしまっていますがぜひ読み続けていただけたら嬉しいです(^^) (2021年5月8日 15時) (
レス) id: 8cc83a5ce9 (このIDを非表示/違反報告)
絲(プロフ) - ミミさん» ミミさん、はじめまして。このお話を読んでいただき、本当ありがとうございます！そうですね…彼らのこともぜひ見守っていただけましたら嬉しいです(*^^*) (2021年5月8日 15時) (レス) id: 8cc83a5ce9 (このIDを非表示/違反報告)
ちむ - すごく面白いお話なので続きも楽しみにしています！ (2021年5月8日 15時) (レス) id: d99f54052b (このIDを非表示/違反報告)
絲(プロフ) - うさぎさん» うさぎさん、ありがとうございます！頑張ります！！(T-T) (2021年5月5日 22時) (レス) id: c3f123b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 絲さま、はじめまして。いつも楽しく読ませてもらってます！もう一つの恋も動き出しそうですね。ニヤニヤしてしまいます。 (2021年5月2日 21時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：絲
| 作成日時：2021年4月10日 23時
