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一応お金持ちの高校だからかきちんとドライヤーなんかもあって、髪を乾かして身なりを整えてから教室に戻ればそこに3人の姿はもう無かった。
〈ごめんね、大丈夫だった？〉
[守るって言ってたのに、守れなくてごめん]
戻って早々2人に謝られたけど、全く悪くないから気にしないで、と伝えた。
『それよりも、ちょっと聞いてほしいことがあって…』
〈なに、どうしたの？〉
サラと2人きりになったタイミングを狙って、私はさっきSPさんに言われたことと態度がまた前に戻ってしまったことを伝えた。
『それでね、さっき言われてからずっとドキドキが止まらなくて…どうしたらいいんだろう……』
そう言うと、サラは微笑んだ。
〈こっち行こっか、〉
そう言って連れてこられたのは、またもや屋上。
けれど、空の色はこの前と違うものになっていた。
『屋上、好きだね』
〈ここにいると、私の悩みもちっぽけに感じたりできるからね、〉
そう言うと、備え付けのベンチに2人で座った。
〈でね、A、そのドキドキはね、恋だと思うよ〉
『…こ、恋、！？
まさか、そんなことあるわけないって…』
〈いや、恋だよ、私だって同じだもん…〉
『え…そうなんだ…ってえ…？
サラ、好きな人いたの？』
〈うん、あまり言いたくなくて言わなかったんだけどね…〉
そう言うと、一息ついたサラ。
〈私ね、ジミンが好きなの〉
『……えーー！？！？』
まさか、サラがジミンのこと、好きだなんて…
全く気づきもしなかった……
〈3人の仲をね、1番に大事にしたかったから、Aに好きな人ができるまでは言わないでおこうって思ってたの、ごめんね、黙ってて〉
『ううん、私こそ気付いてあげられなくてごめんね』
〈いいのいいの、私はお見合い中の方がいるから叶うこともないだろうし、しょうがないんだ、〉
そう言うサラの顔は、見たことがないほどに悲しそうだった。
〈Aはまだ可能性がゼロではないでしょ？その分頑張ってほしいんだ、〉
政治家の娘、判事の娘、そんな理由だけで私たちの伴侶は決められてしまう。
まだこれが本当に恋か自分では分からないけど、一生に一度しか味わえないこの気持ちを大事にしないと…
そう思いながらサラと2人で、オレンジがかった空を見上げていた。
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絲(プロフ) - ちむさん» ちむさん、ありがとうございます！最近は私生活が忙しい為、更新がのんびりになってしまっていますがぜひ読み続けていただけたら嬉しいです(^^) (2021年5月8日 15時) (
レス) id: 8cc83a5ce9 (このIDを非表示/違反報告)
絲(プロフ) - ミミさん» ミミさん、はじめまして。このお話を読んでいただき、本当ありがとうございます！そうですね…彼らのこともぜひ見守っていただけましたら嬉しいです(*^^*) (2021年5月8日 15時) (レス) id: 8cc83a5ce9 (このIDを非表示/違反報告)
ちむ - すごく面白いお話なので続きも楽しみにしています！ (2021年5月8日 15時) (レス) id: d99f54052b (このIDを非表示/違反報告)
絲(プロフ) - うさぎさん» うさぎさん、ありがとうございます！頑張ります！！(T-T) (2021年5月5日 22時) (レス) id: c3f123b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 絲さま、はじめまして。いつも楽しく読ませてもらってます！もう一つの恋も動き出しそうですね。ニヤニヤしてしまいます。 (2021年5月2日 21時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絲
| 作成日時：2021年4月10日 23時
