4、婚約者 ページ4
……case婚約者
皆さんは幼少期の記憶があるだろうか。
え、ある？まっさかぁ……私は無い。
しかし、ここにも幼少期の記憶を兼ね備えている奴がいた。
それは雄英高校入学式。同じクラスの爆豪勝己に呼び出されたと思ったら、下手な字で書かれた紙を突きつけられた。
その一言がこれだ。
「印鑑持って、ここに押せ」
思わずwhy！？と叫んだ。
紙をよく読めば、婚約書と書いてあり、お互い結婚出来る歳になったとき、結婚をするという契約書だった。
「なぜ私がこんなものに印を押すのでございましょうか……」
「あ？餓鬼んとき約束しただろうが。『大きくなったらA、かっちゃんと結婚する』って言ってな。約束は守るもんだろ」
気を利かせて婚約書も書いてやったのに。と言う。
ごめ、そんな記憶持ち合わせてないよ。私。
てか、そもそも私たち幼少期面識あったのね？そこからだわ
とりあえず、だらだらと印鑑を押さずに接していたら最近はとうとうストレートなアピールになってきた。
もちろん、今だって。
「おい、A、印押せや」
「いや〜、無言の圧力で言われても……」
「……」
ものすごく睨んでくるが、私は平然とした態度を取り続ける。
痺れを切らしたのか爆豪は私を壁に追いやり、いわゆる壁ドンというものをする。
「なぁ、押すだけでいいんだぜ？」
耳元で囁く。
くすぐったくて身を攀じると逃がすまいと私の足と足の間に爆豪の足が入り込む。
わぁ、さらに吸着ウエットシート……
さすがにやられっぱなしも悔しいので私も仕掛けてみよう。
両手で彼の顔を私に向け、近づける。
急なことで驚いたのか爆豪の顔は赤い。
「そんな明確なシルシを欲しがるなんて爆豪らしくないような気ぃするね？もっと余裕ある感じに攻めると思ってたけど」
そう感想を漏らすと一気に体を横に動かし脱出する。
「うぇーい！成功！！今日も押さないからね！じゃっ！」
走り去る。
追う気力も失せたのか爆豪は私の後ろ姿を呆然と眺める。
「余裕……Aのこととなるとなぜか余裕なくなんだよ。それくらい察しろクソが」
ため息一つ宙に消えた。
押しが強い彼とは違い、Aは逃げるのが得意のようだ。
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あぽろ(プロフ) - つむさん» ありがとうございます！面白いです！これからも応援してます！ (2017年11月7日 2時) (
レス) id: 856a7f4a51 (このIDを非表示/違反報告)
つむ(プロフ) - あぽろさん» コメントありがとうございます！頑張って更新してみました（笑） (2017年11月6日 22時) (レス) id: 06e376deec (このIDを非表示/違反報告)
つむ(プロフ) - 黒猫☆さん» そう言っていただけて嬉しいです……！！！！ありがとうございます！！！ (2017年11月6日 22時) (レス) id: 06e376deec (このIDを非表示/違反報告)
あぽろ(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2017年11月6日 3時) (レス) id: 856a7f4a51 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫☆ - めっちゃ面白いですね！！続きが楽しみです！更新頑張って下さい！ (2017年11月3日 20時) (レス) id: 8094399c33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむ | 作成日時：2017年10月17日 7時
