二十一話、お礼を伝える ページ21
「おはよー」
「おっは！」
教室のドアを開けるとすでにいたクラスメイトが朝の挨拶をしてくれる。
「Aちゃん、おはよ〜！爆豪くんと一緒に来たんやね〜」
「ちゃこ！おはよう。昇降口でちょうど会って一緒に来たの」
私の存在に気づいてくれたちゃこは駆け寄った。
「……っと、あ！」
「どうしたん！？」
私がいきなり叫びだすからちゃこはビックリしたようだけど、それどころじゃない！！
「勝己くんにまだお礼言ってない！！」
「かつ………ってAちゃん、律儀に名前呼びせんでいいと思うよ〜？」
ちゃこのそんな言葉はもう耳に入れずに勝己くんに近寄る。
「か、勝己くん」
「あ？なんだよA」
私たちの会話を遠くから見ていたちゃこに近づく影が。
「麗日」
「っと、うわ！ びっくりしたぁ………なんだ、轟くんかぁ………。おはよ、どうしたん？」
ちゃこに話しかけたのは轟くんだった。
「おはよう。…………いや、Aのやつ、いつの間に爆豪を名前呼びにしたんだ？」
何かを察したちゃこは、昨日のことをかいつまんで説明することにした。
「昨日ね、Aちゃん、爆豪くんに半端脅される勢いで友達になって、敬語なしの苗字呼び一切禁止令だされたんよ」
「そうか」
淡々と相づちを打つ轟くんは何を考えているのか私にはきっとわからない。
だって、轟くんとちゃこの会話なんてこのとき聞いていなかったんだもの。
「あのさ、勝己くん、昨日も今日も、助けてくれてありがとう………」
いつものように顔を赤くしながら精一杯感謝を伝える努力をする。
最後らへん、モゴモゴ喋ってしまったからてっきり怒鳴られるのかと覚悟していたけれど、そんなことはなく、
「あぁ………」
と珍しく下を向いて返事をした。
「？？ 勝己くん？ 下に何かあったの？」
「んなもんねぇよ！！！」
………、最後の言葉は蛇足だったね……。
「あ、爆豪くん顔赤いや」
「………。」
離れた場所にいるちゃんと轟くんには照れた勝己くんの顔が見えたらしいけれど私は照れたことすら知らないのであった。
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冬音 - 相澤先生がお兄ちゃんだなんてびっくりしました(笑) (2020年2月20日 22時) (
レス) id: 4b22177c0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 轟が友達になろうって言ったとき、「こいつ、まさかとは思うが個性強くしてもらうために話しかけた・・・・？」とか思ってしまった。ごめん。 (2018年8月3日 1時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
つむ(プロフ) - 哀流さん» それ、書いててめちゃくちゃ思いました！（笑）でも爆豪くんならやりかねないと信じていたので（笑） (2017年11月12日 15時) (レス) id: 06e376deec (このIDを非表示/違反報告)
哀流 - 爆豪威圧で道案内とかやっぱ才能マンですねー。 (2017年11月12日 15時) (レス) id: f3d50ceb36 (このIDを非表示/違反報告)
つむ(プロフ) - 夏祈さん» 確認しました！ありがとうございます！！良ければお話しましょ！！！ (2017年11月11日 13時) (レス) id: 06e376deec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむ | 作成日時：2017年9月6日 22時
