十九話、締めくくり ページ19
「ただいまー」
「あら、遅かったわね。お帰り」
家に帰り、母さんに挨拶をする。
父さんは海外出張でいつも通り家にいない。
つい先日まで近くの公立高校だったため、帰りは比較的速かったが、国立の雄英ともなればもちろん家から遠く、電車通学は免れなかった。
ご飯できてるけど先食べる？と母さんに聞かれて、少し考えたあと
「うんん、お風呂先にするよ」
と言って自分の部屋に行き、着替えを持って風呂に入った。
…………。
「嘘でしょ………？」
入浴中、私は自分の右腕を何回も泡のついたスポンジで擦るがインクがいっこうに落ちる気配がない。
「んんんん！！」
めいいっぱい擦っても刺激を与えすぎて赤くなった腕に堂々と『勝己』の文字が刻まれていた。
油性のペン………しかも強力なヤツ使ったな……。
がくりっと方の力を落としてすすぐ。
「ふぅー…………」
あらかじめ入れておいた湯船に全身浸かると思わずつぶやいてしまった。
目をつぶって今日一日を振り返る。
いるなんて思いもしなかった唯一の私の友達だった「ちゃこ」
フレンドリーでこんな私にも気軽に話しかけてくれた隣の席の「上鳴くん」
一度は自己紹介が途中で終わってしまったけれど律儀で優しい性格の「緑谷くん」
クラスのみんなが認めるほどの綺麗な容姿と初めて男の子の友達になってくれた「轟くん」
尻尾が可愛くて温厚な男の子の「尾白くん」
学級委員長としてみんなをまとめていた品行方正の「飯田くん」
まだ少し怖いけど根は優しくてナンバーワンヒーローを目指す「勝己くん」
名前呼びが慣れていなくて、やっぱり恥ずかしくなってお湯の中に頭を突っ込む。
でも、本当に素敵な友達もたくさんできて、初めての恋バナ？もして、楽しかった。
転校してきてよかった。
しみじみ思う。
でも、私はみんなと大幅に遅れを取っているのも事実。
「よし、明日から頑張る！」
ザバッと音を立てて湯船から出ると体を一回流してからお風呂をあとにした。
「母さん、あがったよ」
「食事はこれね」
とテーブルに並べられているのは今日の夕食の茄子の炒め物とミニトマトのカプレーゼ、玉子のガレットという、野菜中心の献立だった。
さっそく、いただきます。と言って箸で料理を口に運ぶと旨味が口いっぱいにひろがっていった。
んん！美味しい！
「A、どうなの？学校生活は？」
母さんが目の前の席に座って話しかけた。
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冬音 - 相澤先生がお兄ちゃんだなんてびっくりしました(笑) (2020年2月20日 22時) (
レス) id: 4b22177c0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 轟が友達になろうって言ったとき、「こいつ、まさかとは思うが個性強くしてもらうために話しかけた・・・・？」とか思ってしまった。ごめん。 (2018年8月3日 1時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
つむ(プロフ) - 哀流さん» それ、書いててめちゃくちゃ思いました！（笑）でも爆豪くんならやりかねないと信じていたので（笑） (2017年11月12日 15時) (レス) id: 06e376deec (このIDを非表示/違反報告)
哀流 - 爆豪威圧で道案内とかやっぱ才能マンですねー。 (2017年11月12日 15時) (レス) id: f3d50ceb36 (このIDを非表示/違反報告)
つむ(プロフ) - 夏祈さん» 確認しました！ありがとうございます！！良ければお話しましょ！！！ (2017年11月11日 13時) (レス) id: 06e376deec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむ | 作成日時：2017年9月6日 22時
