十八話、明日から頑張る ページ18
「な、るほど？？」
語尾が上がったけど、納得はしておく。
私の個性、親しければ便利だもんね。
ナンバーワンヒーローを目指していたらそりゃこんな《増強》なんて個性を横においておけば楽に仕事済ませられるもんね……。
なんだか、私自身と仲良くしようと思ったのではなくて、個性のためだけに仲良くするということを理解してしまって寂しい気持ちになる。
これから大人になっていくに連れてこんな気持ちも山ほど味わって慣れていくんだなと考えるだけで恐い気もした。
それが大人になる証拠だなんて言われても私には到底なれない。
「そうだ、A。その敬語辞めろ。」
「ごめんな……さ……、あ。ごめん」
言っているそばから敬語を使ってしまう。
「爆豪くん……」
「それもやめろ。俺のこと名前で呼べ」
緊張で条件反射的に敬語になっちゃうんだと説明しようとすると遮るように言葉をかぶせた爆豪くん。
これには緑谷くんも相当驚いたようで、
かっちゃん！？何言って……
なんて叫んでしまい、爆豪くんに睨まれていた。
「ほら、早くしろ」
言えとばかりに見つめてくる爆豪くん。
早く言えばいいのだけれど、なにせ私は彼の名前をまだ覚えていない。
一日にそんなクラス全員の名前、覚えらんないよ！！！！
爆豪くんはため息をついた。
「あっ………と、名前、爆豪くんの名前覚えていなくて！ごめん、なんだっけ………」
これはヤバい……なにがやばいのかわからないけれどなんかやばそうだったので私は焦って素直に吐いた。
なんだ。と案外あっさりとした反応を爆豪くんは示し、彼の近くにあった机の上のペンを取り、私に近づいて右腕を引っ張った。
「ちょ、爆豪くん！？」
ちゃこが叫ぶと同時に爆豪くんは私の腕にペンでなにか書き、キュポンッとペンの蓋を閉じると
「ほら、これで忘れねぇだろ」
と言った。
開放された右腕を見ると乱暴な字で
勝己
と書かれていた。
………、呼べってことかな？
男の子の名前………しかも下の名前を呼ぶなんて初めてで戸惑いながらも口に出す。
「か……つき……くん」
私たちしかいない教室に夕日が差し込んでいて、私の顔のハバネロ具合なんて気づかないよね。多分。
「………、それでいい。明日からそう呼べよ」
どうやら納得してくれたようで良かった。
明日からですか……。
「恥ずかしいなぁ……」
と私はつぶやいた。
その後私たちは教室を後にしてそれぞれの家に帰った。
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冬音 - 相澤先生がお兄ちゃんだなんてびっくりしました(笑) (2020年2月20日 22時) (
レス) id: 4b22177c0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 轟が友達になろうって言ったとき、「こいつ、まさかとは思うが個性強くしてもらうために話しかけた・・・・？」とか思ってしまった。ごめん。 (2018年8月3日 1時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
つむ(プロフ) - 哀流さん» それ、書いててめちゃくちゃ思いました！（笑）でも爆豪くんならやりかねないと信じていたので（笑） (2017年11月12日 15時) (レス) id: 06e376deec (このIDを非表示/違反報告)
哀流 - 爆豪威圧で道案内とかやっぱ才能マンですねー。 (2017年11月12日 15時) (レス) id: f3d50ceb36 (このIDを非表示/違反報告)
つむ(プロフ) - 夏祈さん» 確認しました！ありがとうございます！！良ければお話しましょ！！！ (2017年11月11日 13時) (レス) id: 06e376deec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむ | 作成日時：2017年9月6日 22時
