本日、入籍致します。【不死川実弥】

8日目 ページ8

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よく考えたらこの状況は異常な訳で。
初対面で求婚され、しかもそれにホイホイついていく16歳。こんな16歳どこ探してもいないと思う。

先程から色々と命の危機に晒されているけれど、何故か私は彼に安心感を覚えていた。
.....やっぱり、運命なのだろうか。

チラッと実弥さんを見ると、パッチリと目が合った。



・




「...なんだァ」

「.....えっ、.....あ、実弥さんって何で私に求婚したんですか？街歩いてる女だったら誰でも良かったんですか？」

「はァ？誰でもいいわけ無いだろォが」


やれやれと言ったような表情をする実弥さん。
.....じゃあなんで、私なんだろう。

うーん、と考えるような素振りをすると、


・


「...理由はねェよ。勘だ。何故かお前がいいと思った。」


と、実弥さんは目を合わせずに言った。
その言葉が、私はなんとなく嬉しかった。




・


「んふふ。そうなんですね。」

「...変な笑い方すんな、気持ちワリィ」

「...気持ち悪いって...。...あっ、そういえば実弥さんってお仕事はしてらっしゃるんですか？」


お茶を飲みながら聞くと、彼の肩がピクっと動いた。
そして少しの間、返事が無かった。

「...大した仕事はしてねェよ。」


実弥さんの表情が哀しそうな、どこか掴めない感じがしたので、深入りするのはやめることにした。









いや、ほら、フリーターだったら気まずいから。うん。

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