本日、入籍致します。【不死川実弥】

20日目 ページ20

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「...A、あの日の言葉、もう一度言う。」


あの日の言葉、そう言われるだけでこれから何を言われるかは確信していた。
どき、どき、どき。
心臓がうるさく鳴り響く。




・






「...俺と結婚しろ」


あの日よりも真剣な表情をした実弥さんがここにはいた。

正直、どうすればいいのか、私には分からなかった。
...だけれど、彼と一緒になるのも悪くないと思っていた。






「...はい、よろしくお願いします」




これからの事なんて、後から考えればいい。
今はなんとなくだけど、この人と一緒にいたいと思った。


実弥さんは私を優しくぎゅっと抱きしめて、


「大切にする」


そう、囁いた。





彼の体温は、やはり私を落ち着かせた。
あぁ、私、幸せもの...。


「てことで、婚姻届書け」


...........幸せ、も、の.......？


デター！！婚 姻 届！！
こ、婚姻届を書くのはまだ勇気がいるのですが...？
私は頭の中でプチパニックを起こしていた。



どどどどうしよう。いや書けないよ。結婚するなんて軽々しく言ったけど。それは話が違うだろ。え？助けて？


実弥さんは棚の1番上から素早くそれを取りだし、私に差し出した。


おまけに筆まで持ってきて、書かせる気満々だった。
.......いや無理だよ？









・







「ささささ実弥さん！私まだ婚姻届は...か、か書けません！！」

「はァ？！結婚するって言っただろーがァ！？」

「ごごごごごめんなさいいいぃいぃ！！許してください！この通り！！」



実弥さんの前でおでこをくっつけて土下座をする。
それくらい本気で無理だった。いや本当に申し訳ない。期待させたのは分かっている。


もう怖くて頭を上げることが出来ない。絶対実弥さん物凄い顔してる。見なくてもわかる。

冷や汗がダラダラとたれてきて、地面に落ちる。
.......どうか今日が命日になりませんように。

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