【宮兄弟】ごめん、見分けつかない。【HQ】 (ページ3)

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『疲れた』

「モテる女はちゃうなあ」

『さとちゃんからかわないで』

朝のSHR後

机にぐったりと伏せた私の頭に手を置きながらさとちゃんは愉快そうに笑った

「ファンタ奢ったるよ」

『私炭酸飲めない』

「知っとる」

『嫌がらせじゃん』

双子が私に絡んでくるようになってからというものの、私の身の回りの事が大きく変わった

例えば

お昼ご飯はほぼ強制的に一緒

私に対して調子に乗るなといった内容の先輩方からの呼び出し

1日1回抜き打ちで行われる宮クイズ

それにより私の苦手な事が改めて身に染みる

私は昔から人の名前を覚えることが苦手だ

苗字までは辛うじて覚えられるけど、下の名前がどうも覚えられない

「…A、ウチの名前言ってみ」

『え？なに、どしたの急に』

「ええから、ほら」

そして最近はさとちゃんまでもがさとちゃんクイズを出してくるようになった

『…里原、花子ちゃん』

「誰や花子て」

『さとちゃんは、さとちゃん』

「まぁ別に、ウチはさとちゃんてあだ名気に入っとるからええけど」

ここまで来ると流石に病気なんじゃないかと思って1度病院に行ったことがあるけど、特に異常はないと診断された

『1時間目…古典か』

「サボりたい」

『さとちゃん』

「はいはい」

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昼

「Aー、中庭行こー」

『うん』

お弁当を持って廊下に出ると、背後からなにやら聞きなれた声が

「Aちゃん…俺というものがありながらそいつと飯食うんか…！？」

「Aちゃん、大丈夫やからこっち戻ってき…！」

「また双子かいな。そろそろしつこいで」

「お前こそAちゃんにベタベタくっついてんと他に友達作ったらええやろ！！」

「Aちゃん、俺おにぎり作ってん。食べへん？」

『流石に人の昼飯取るほどひもじくないよ』

片方はさとちゃんにケチをつけ、もう片方はきらきらした目で私におにぎりを差し出してくる

後者はまるでカオナシのようである

「今日のおにぎりはな、甘い卵焼きと唐揚げやで」

『うん、わかったから、近い』

「ちょ、Aからもなんか言ってや。こいつ全く会話出来ひん」

「はぁ！？それはお前やろ！」

『……4人で食べようか』

そして結局こうなる