【宮兄弟】ごめん、見分けつかない。【HQ】 (ページ2)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:484 hit

1 ページ2

「お、Aおはよー」

『さとちゃんおーはよー』

朝

さとちゃんこと里原ちゃんは私の隣の席の女の子
最近よく消しゴムを家に忘れてくる

「Aさ、またウチからのLINE見てないやろ｣

『……』

「無言は肯定と受け取んで」

『違うんださとちゃん……！私のスマホ…冷たくなっちゃったんだ…！！』

「あんたが電源切っとるからや」

はぁ…と呆れ気味にため息をつくさとちゃんを横目に鞄の底から冷えたスマホを引っ張り出すと、誰かがバタバタと教室に入ってきた

私はこの正体を知ってる

それは1ヶ月くらい前からよく絡んでくる双子

「「Aちゃん！！」」

「宮ツインズうるさいで」

『わあ、どしたの』

教室の視線が痛いのなんの

そんな事もお構い無しに机に手をついてずい、っと前のめりになった双子は興奮した様子で声を出した

「5時間目の体育学年合同でバドやるんやって！！」

『そうなの？』

「やから」

「「俺と組んでや！」」

『多分男女別だし私さとちゃんと組むよ』

そう言うとさとちゃんは私と肩を組んで

「うぇーい」

とあからさまなドヤ顔で双子を笑った

対して双子は唇を強く噛んでいかにも悔しそうな表情を浮かべた

どんな顔をしてもそっくりだなんてますます見分けがつかないから困る

『口から血ぃでるよ』

「それはあかん」

「俺のカッコエエ顔に傷なんてついたら母ちゃん泣いてまう」

「2人して同じ顔やんか」

「マジで里原どっか行けや！！」

「いやここウチの席やし」

なぁ？と肩を組んだまま私に同意を求めるのはやめて欲しい。

『さとちゃん、首痛い』

「か弱いなぁ。女子か」

『女子です』

「Aちゃん、傷モンにされたら俺が貰ったるからな」

「は！？こﾝのクソサム！！抜けがけすんなや！！」

「早い者勝ちに決まっとるやろ」

『…そろそろチャイム鳴ると思うよ』

時計を見ればあと2分位でチャイムがなる時間になる

うちのクラスの担任は怖いし面倒くさいから早く教室戻った方がいいのではと思った

ちなみに宮は一昨日もうちの担任に怒られていた

理由はチャイムが鳴っても私の目の前で喧嘩していたから

そして何故か私も注意される羽目になってしまったから早く帰って欲しいのが本音

「ほら双子早く戻らんとまたハゲに怒られんで」

「ぐ……また来るからな！！」

「またな、Aちゃん」