隣の部屋のシゲオカくん (ページ3)

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「え？！小瀧って年下やったん！」

部屋にお邪魔して、もうかれこれ40分程。

お茶とさっき渡したお菓子を広げて、お互い高校時代の話やら趣味の話やら、いろんな話をして中々楽しい。

気さくな彼のおかげで緊張も溶けて、あっさりしげ呼びになっとるし。

しげの通ってる大学が、俺のキャンパスの2駅先だと知って、そのまま大学の話に。

で、この言われ様。

「俺、大2やで」

「うぇぇぇ、まじで？カンペキ同学年のつもりで喋っとったわぁ」

「え、何個上？」

「俺、大4」

「2個上……見えへんな」

「うぉおい、それどういう意味や」

まぁ、この見た目やし、昔からよお年上に間違われてたけど。

「しげは大分童顔やな」

「はー？それ言うたらおまえ大分老け顔やで」

「年上に見られるって事やろ？未成年に見られるより全然ええ、しげちゃんお酒買えるん？」

「くっそ、いっぺん死ねや」

「可愛い顔してそんな事言わんで」

「可愛ないわ」

「え？可愛いやん、俺めっちゃタイプやねんけど」

……あれ、何か俺、今凄い事言うた？

いや、俺にとっては本間の事やけど、まぁしげからしたらおふざけ程度やろ。

「……え？」

目の前には、真っ赤な顔して目泳がせまくってるしげの姿。

待って、想像と全然ちゃうやん。

「まじ……な、に言うてん、あほ…」

余程恥ずかしかったのか、俺から目を逸らすようにして俯く。

うわーどうしよ、可愛いわ…って、本間俺あぶないんちゃう。

「照れちゃった？」

「は、照れてへんわ…！」

「案外そういう感じなんや」

「何やねん、意味わからん」

はぁ、と一つ溜息をついて立ち上がり、あーもう年上揶揄うなや、と背を向け手で仰ぐ仕草。

平然と振る舞おうとしてるけど、その黒髪から覗くのは真っ赤になった彼の耳。

そんな姿に、またひとつ、胸の高鳴りを感じてしまった。