隣の部屋のシゲオカくん (ページ8)

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「はぁーーーびびったぁ、何や神ちゃんか」

「何やってなんや、失礼な」

隣ええやんな？と、長机にこれまたド派手なリュックを置いて俺の隣の席に腰掛ける。

神ちゃんこと神山智洋くんは俺の幼馴染みで、小中一緒で高校からは別々やってんけど、また大学で奇跡の再会を果たすという腐れ縁。

「のんちゃんもこの授業取ってたんや」

「あぁ、まぁ俺はなー
神ちゃんこそ、こっちで会うん久々ちゃう？」

「大学自体そんな来てへんかったからなー、スタジオだけ行ってすぐバイトして、って感じで。
のんちゃんは？また今年もアレやってるん」

「高速単位稼ぎ？もちろん、真っ最中っすね」

教室内にちらほら人が増え始めたところで、授業開始のチャイムと共に教授が入って来て教壇に立った。

神ちゃんはというと、出た、そうそうそれ、と笑いながら慌ててリュックからノートやらペンやら出している。いや遅いな、今まで何してたんや。

教授の話が始まって、一応真面目に受けていると一分も経たない内に隣から「ぁ、」と何か思い出したような声

「そういえばのんちゃん、この近く引っ越した言うてなかったっけ」

「おぉ、3駅先かな。神ちゃんは？まだ実家居るん？」

神ちゃん家と俺ん家は最寄り駅が一緒やから、まだ実家暮らしならこっちのキャンパスまでは大分かかるはず。

神ちゃんはどこから取り出したのか分からん小さいチョコレートの包みを剥がして口にいれると、何やら真剣な表情を浮かべて話し始めた。

「いやそうなんよ、実は……」