あまい香り 2

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やまとside


やまと「Aさんのお父さん！お母さん！」
父「まだ、手術中だよ。ここで待つしかない」
母「……」


お父さんから詳しい状況を聞き、難しい手術では無いということが分かり胸を撫で下ろす。
メンバーと共に座って待っていると、平成フラミンゴの2人とスカイピースの2人が一緒に来た。


テオ「やまと！！」
やまと「テオくん！こちら、Aのお父さんとお母さん」
テオ「友人の寺島です。」


軽く挨拶を済ませて、メンバーの近くでにこりほておじんに状況説明をして手術中の光が消えるのを待っていた。
にことりほは方を寄せあって泣いていた。

Aのお母さんはずっと、お父さんの陰に隠れて顔が見えない。
じんたんとテオくんも「まだかな…」「大丈夫かな」と、不安を言葉にしている。

お父さんの陰に隠れていたAのお母さんが顔を出し、俺の方に向かってくる。
涙で顔はクシャクシャになっていて、フラフラとした足取りで俺を睨みつけているようだった。
俺は直ぐに立ち上がり肩を抑えた。


母「Aは、、、なんでこんな事されなきゃ行けなかったの……？」


消えるような、掠れたような声で今1番の疑問を俺にぶつけてくる。
俺は謝ることしか出来なかった。
必死に頭を下げて「すいません」と言うことしか出来なかった。
メンバーや駆けつけた平フラ、スカイピースも頭を下げてくれた。

しばらくするとお母さんはお父さんの元へ行き、その胸の中でまた泣いた。

その姿を前にしても、俺は泣くことが出来なかった。


ゆうた「やまと、Aとの写真とか動画見てみな。」


そう言われて、カメラロールにある写真や動画を見返す。
スーパーで人参を選ぶAは初めて撮った写真だ。
道端で歩いてるのを隠し撮りしたもの、、それに気づいてニコニコと笑うA、撮り返そうとスマホを構えるA、大きな鳥を指さしてびっくりした顔のA、動画では「やまとくん！」と呼んでるA。
気がつけば大粒の涙で頬は濡れており、ゆうたが隣に座っていた。


ゆうた「お前はちゃんと感情出さないとだめなやつだよ。」
やまと「絶対無事」
ひゅうが「ほら、強気になれんだろ！」


そう言って2人に肩を組まれる。
その瞬間、手術中のランプは消えた。

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