あまい香り 2

51 ページ1

やまとside


タクシーがスカイハウスへの到着の合図のように、Aさんは手を離す。
Aさんの温もりが残った手でインターホンを鳴らす。


テオくん「まってたよ〜」


そう言ってドアを開けてくれる。
2人で靴を脱いで上がり込むと、Aさんは脱ぎ散らかしたみんなの靴を揃えている。


テオくん「しなくていいのに〜」
「これはもうくせみたいなものだから気にしないで」


そう言って黙々と靴を並べるAさんの隣に座り、一緒に靴を並べた。
こういう所が、Aさんの好きなところ。
横にいるAさんの顔を見ると心做しか楽しそうだった。

いつも部屋は整然とされ、ホコリも落ちていない、ホコリが溜まってるところもない。
掃除や片付けが好きなのだろう。

掃除をしているAさんを想像し、隣に自分を並べてみる。
なんとも楽しそうだ。



靴を並べ終わり2人で遅れて部屋に入るとメンバーのみんなとじんたんが既にピザパーティを始めていた。


「じんたーん久々だね」
じんたん「久々だ〜俺らなかなか会えてなかったもんね」
ゆうた「それ言ったらコムドットもっすよ。やまとすぐAさんのこと独り占めするんで」
やまと「なんでよ！そんなことないじゃーん！」


談笑していると、「ここ座りなー」とテオくんが場所を開けてくれる。
並んでそちらに座り、俺はコーラ、Aさんは水を持って乾杯をする。


ひゅうが「Aさんって最初はクールだと思ってたけど話しやすいっすね！」
「人見知りで表情筋が固まっちゃうんだよね」
ひゅうが「最初人見知りしてたんすね！」
「タメ語でいいよ〜」
ゆうた「タメ語苦手なんすよ」
「私が呼び捨てしたらタメ語ゲームね、」
やまと「俺も入ってる？」
「やまとはもうタメ語だからなあ」
やまと「えっ！！！！」
「あっちゃん、やまと生意気だよね〜」
あむぎり「えっ！はい！えっと、そうだね、、」


俺とあっちゃんの流れに笑いが起きる。
見てるYouTuberが被ってるからか、笑いのツボが近いようでAさんも笑っている。



しばらく談笑して、Aさんが仕切りに時間を気にしだしたので先に帰りますね。と声をかけるとじんたんの「みんなで写真撮ろう」という声に全員が画角に入るように集合する。


みんなで1枚写真を撮って、「後でこれTwitterにあげていい？」とじんたんに聞かれ、Aさんは二つ返事でOKしていた。

これが新たな波紋を呼ぶとも知らずに。

52→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す