あまい香り (ページ9)

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貴方side

コンビニであった時も思ったけど、やはり顔がもの凄くタイプだ…
そんなやまとくんが、私の何気ない行動に照れた様子。
口角を下げて、目が笑ってる姿はあまりにもツボだった。

「状態いいね」なんて訳の分からない言葉を発するといたずらっぽく「なんすか？」と聞き返してくる。

でも今までを思い返しても、見た目なタイプの男の人は大体次の女ができたという理由で振られる。

不思議だね。

やまとくんが設定してくれた通りに車を走らせれば、雰囲気のいい個室のお店があった。

やまと「今日は和食っす！」
「敬語だけど、和食すきだよ。」

『あっ』と口を抑えている様子にクスクス笑うと、『もー！カッコつかない！』と言っている。
年下でイケメンはこのくらいの方がいいよ。
本当。

店に入る直前だった。
スマホに着信音がはいる。
やまとくんに「ちょっとでてくるね。」と声を掛けてから画面を確認する。

元彼の名前(優希)が表示されていた。

今までの記憶が蘇り、どくどくと心臓が脈を強く打つ。
これが同情からなのか愛情からなのかわからぬまま、通話ボタンを押す。

「もしもし」
優希「おー。今家？」
「いや、今は家じゃない、、」
優希「ちょっと用事があって早めに会いたいんだけど今日無理？」
「日付け超えちゃうかもしれない…」
優希「全然平気！お前の家の近くで待ってるから帰ってくる時間分かったら連絡してよ！」

一方的に喋られて電話は切れてしまった。
今まで優希が私に用事があったことがあっただろうか。
まあ、この後会うし今考えても仕方ない…

「ごめん、ごめん、おまたせ。」
やまと「仕事？」
「いや、、、」

なんか言いづらくて濁すと、やまとくんは勘がいいのだろう。「元彼？！」と聞いてくる。
小さく頷くと小さく息を吐いて、「ご飯食べながら話そう」とお店に入る。