あまい香り (ページ46)

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貴方side

「お邪魔しました！」
やまと「はーい。」

そう言って部屋を後にしようとしたが、もうバイバイなのが寂しい。
1ヶ月半の隙間を埋めるにはあまりに時間が短かった。

私が手を広げると、ピッタリと体をくっつけて抱きしめてくれる。
そのまま後頭部を抑えられて押し付けるようにキスを交わす。

やまと「まだずっと忙しいの？」
「いや、今月が終われば落ち着くよ。」
やまと「じゃあ、はい。、これ。」

ぎこちなく手渡してきたのはBURBERR○のキーケース。中を開くと鍵が入っていた。

やまと「いつでも入って！」
「わ！！！！！え？！？！超嬉しい…ありがとう！！」

お礼を言って、カバンの中に鍵をしまう。
こんなに信用されてるなんて嬉しすぎる。
「今日の仕事も頑張れそう」と呟くと、「俺も」と言って頭を撫でてくる。

自宅に着き、化粧を施し打ち合わせ用のスーツを身に纏い気合を入れる。
鞄のものを仕事用のカ鞄に入れ替える。
先程貰ったキーケースに頬を緩める。

少し前の話だが、今までの彼氏は私と付き合えば皆私の家に転がり込み、仕事をしなくなってしまう。
何でもしてあげてしまう性格が原因だと分かっていた。

でもやまとくんはそんなことも無くあっさりと私の心の中に入ってきて、愛を確かめさせてくれればまた元の日常に返してくれる。

私に完璧を求めない姿は私安心させてくれた。
その安心は1日に数回ほど交わす連絡も含まれている。

緩めた頬を引き締めて、もう一度気合いを入れ直し仕事に向かう。