あまい香り (ページ32)

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貴方side

やまとくんが洗面所で歯を磨いたり身支度を整えている間に朝ごはんを用意してしまう。

テーブルにご飯が並び、部屋がフワリと暖かい香りに包まれる。
洗面所にいるやまとくんに声をかけに行くと、鏡を見て髪を整えている。

「わぁ、、かっこいい、、、」

そうつぶやくと気がついたようでニッコニコの笑顔でこちらを向く。
そう言って「Aもかわいい」と言っておでこにキスをしてくる。
まだ身支度を整えてない私を褒めてくれるやまとくんも最高だ。
そして自分のことが大好きだと感じられるほど鏡を見てるやまとくんも最高だ。

『朝ごはんが出来ました〜』

やまと「いい匂いすると思ったら作ってくれたの？！」

そう言ってダイニングのテーブルを確認すると、「美味しそう、、ほんっとにありがとう。今日も頑張れる」と言って2人揃って頂きますと言って食べ始める。

やまと「俺が寝てる間なにしてたの？」
『えっ仕事だよ？』
やまと「休みじゃなかったの？」
『休みだよ！でもクライアントから急ぎのメールがあったからそれだけやっちゃおうと思って…』
やまと「仕事人間だな」
『好きな事だからね』
やまと「今日の予定は？」

やまとくんがそう言った瞬間、やまとくんとバイバイしたあとの寂しさを埋めるようにスマホの着信音がなった。
画面を確認すると仲の良いあの子。

『にこちゃんだ！』
やまと「えっスピーカーにしてよ」

そう言ってニヤニヤとするやまとくん。
コラボもしていたし仲も良いのだろう。
マジマブ。みたいな動画もでていたし。

『もしもし。桜井です。』
にこ「へいおつぅ！」
やまと「へいおつ！」
『ちょ、、、』
にこ「えっ？！え？！待って誰？」
やまと「えーにこさん俺の事分からないの？」
にこ「やまと？！え？！」
『にこちゃん、どうしたの？』
にこ「いやこっちはまだやまととAの距離感測れてないから！笑」
やまと「熱々カップルっす」
にこ「やーだぁ！邪魔しちゃった？」
『いえ、全然。そろそろやまとくん仕事だし。』
にこ「あ、じゃあよかった。Aちゃーん、あーそーぼー」
『いーいーよ』

会話を交わして、やまとくんを送った足でにこちゃんの家に行くと約束をして電話を切った。
「いーなー、いーなー」と仕切りに言ってくるやまとくん。

『にこちゃんと遊べて羨ましいでしょ！』

そう言うと、ちらりとこちらを見て「主に逆だよ」と言っている。
そんなやまとくんの拗ね顔をみて自然と口角があがった。