あまい香り (ページ21)

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貴方side

「そ、そっか、、、、」
女子「引いたでしょ？でもここまでするほど好きなんだよ、、、やまとくんが、、」

その言葉に私は何も言えなくなる。
私だってやまとくんのことだいすきだけど、画面の向こうにいる彼をここまで愛せるのは物凄いことだ…

だって、私の前にいるカッコつかないやまとくんと、YouTubeをやってるやまとくんはあまりにもギャップを感じるのだ。

黙って彼女の顔を見ていると、ハッと表情を変えて私に懇願してきた。

女子「お願い！！！やまとくんには言わないで！！！！」
「ん？何を？」
女子「私が来たってこと言わないで！！！！」

まずい言ってしまった。既に。
「お願い、お願い」と懇願する彼女に「ごめん」と謝る。

「軽く連絡してしまった、、、」
女子「うあああああああああ」

彼女は大きな声を出して泣く。
そりゃ好きな人に嫌われるのは辛いことだ。
3ヶ月前、私が経験したあの感情を思い出して心が苦しくなる。
でもやってはいけない事をしたのはこの子だ。

？？？「Aさん！！！！」

そう言って長身でスタイルのいい彼が駆けてくる。
メンバーを引連れて真剣な顔をしている。

私の最寄りにコムドットが大集合だ。

女子「あぁ、、、」

女の子は絶望したような顔を浮かべて涙をただ流すだけだった。
あんなに大好きな人達が自分を見て明らかに怒っているのだ。怖い上に悲しいだろう。

私は女の子の肩を抱き、背中を優しく摩る。

やまと「Aさん？なんでそっちに居るの？」
「この子が悪くても、大きい男性5人に囲まれるのは怖いんだよ。だから、この子をあまり攻めるのやめようよ。」

私の言葉にやまとくんは何か言いたげな表情を浮かべている。
次に口を開いたのはひゅうがくんだった。

ひゅうが「ここだと人目につきすぎるから、車かどこか落ち着いて話せる場所に…」
「え、7人も乗れるの？」
ひゅうが「あの前に乗ったベンツ7人乗りっす！」
「あらすごい。じゃあ車に行こう」

そう言って7人で車の止めてあるパーキングに向かった。
女の子の涙は止まらず、私の隣を歩いていた。
私の服を掴み手は僅かに震えていた。

やまとくんは私の反対の隣をただ黙って歩いていたがとても小さな声で「無事でよかった、、」と呟いていた。

心配かけてしまったなあと、自分の軽率な行動に気を落とす。

隣にいたやまとくんが頭をポンポンと撫でてくれる。