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てつやside
2人はりょうんちで夕飯の予定だったらしく、その予定のまま虫さんと俺でりょうたちに着いて行く。
りょうの家に入るのも慣れているようで、買った材料を「冷蔵庫にしまうね。」なんて、笑顔を向けていた。
初めて見た笑顔に俺は完全にときめいた。
しかし俺も、バカだけどバカじゃない。
2人がお互いのことどう思ってるかなんて分かっているつもりだ。
でも、俺の中に芽生えた感情はとどまるところを知らない。
本能がどうしても距離を詰めようと行動してしまう。
『てつやさんと、虫眼鏡さんは…料理ができるまでお茶がいいですかね?』
て「あ、うん…」
頭の中で大会議してただけあって、なかなかそっけない返事。
キッチンで2人で使う材料を出したり、役割分担をして料理をしているその様はもう夫婦と言ってもおかしくないのでは…?
二人の仲をぶち壊したい訳ではない俺はとりあえずAちゃんと仲良くなろうと思った。
料理が次々に完成してテーブルに運ばれる。
リビングには空腹を刺激する香りが漂う。
『お待たせしました。では!乾杯しましょう!!』
そう言って、各々好きなことしてた虫さんと俺を召集すれば飲み会が始まった。
しばらく飲んでいれば、ペースの早いAちゃん。
すでにまあまあ酔っていた。
今なら人見知りされることもないだろう、と果敢に話しかける。
て「俺らのことってもしかして知らん??」
『YouTuberって事はわかったけど、顔は今日が初見です!』
そう言って、ほんのり赤い顔を緩ませながら敬礼をする。
ばかかわいいな…
て「そうなんだ!もう敬語やめて話さん?」
『いえ!でも年下なので!』
て「りょうにはタメ語やん!!」
『りょうくんは仲良しなので!』
そう言って隣に座ってるりょうの肩に手を置いてピースをする。
りょうもそれを見て笑いながらピースをしている。
なんて羨ましいんだ…!!
一旦夜風にあたろうとおれはベランダに出た。
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作者名:おかゆ | 作成日時:2020年10月25日 21時