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Aside
その言葉の意味を理解するのには時間が掛からなかった。
しかし、久しく聞いてもない、行ってもないデート。
そしてなぜか誘われたデート。
り「デートするなら連絡先交換しなきゃね〜。」
言われるがまま、連絡先を交換してしまった。
デートかあ…
いまだ、デートのなんたるかを思い出そうと必死な私。
思い出すのはひとつ前の彼氏とのデート。
お洒落して行っても、遠出しようと言っても、いつもなぜかパチスロに行ってた。
私は隣で打ってるのを見るだけ。
いい思い出がなさすぎる…
『デートって何するんですかね?』
り「ご飯食べに行ったり、楽しく遊ぶんだよ。てか!また敬語出てる。」
『おっとっと。』
この後もデートのことについて聞いたり、お互いのことを聞き合ったりしてりょうくんとの仲はそこそこ縮まった。
その日は日付が変わる頃に解散して帰路につく。
タクシーの中でも、家でシャワーを浴びてる時も、寝る前の布団の中でもぼんやり思う。
りょうくんの纏う空気は落ち着くなあ。
しかも背が高くて、ヒールを履いてても私の目線は上方向。
そこそこ身長のある私にとってそれは珍しいことだった。
それにしても出会ってすぐにあんなに喋れるようになるのは自分史上一番早いのではないかと思い返す。
ゆっくりと眠りにつき、起きてスマホをの通知を確認すれば、りょうくんからのメッセージ。
りょう昨日はありがとう。
りょうデートの日、来週の金曜日とかどう?
Aこちらこそありがとう。
A来週の金曜日ね。了解!
マメだなあなんて思いながらも、返信して来週を楽しみに待つことにした。
きっと私、来週の金曜日までニヤニヤして過ごすんだろうな。
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作者名:おかゆ | 作成日時:2020年10月25日 21時