赤と黄。 (ページ25)

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想い、想われ。ページ25

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撮影が終わり、他のみんなは各々次の仕事に向かって最後やった俺と濵ちゃんだけが残った

「楽しかったなぁ、今日の撮影」

「ははっ、せやな」

いつもやったらベラベラ喋んのに、今日に限ってあんまり喋れへん

気まづくなってんかな、俺

「なぁ、しげ」

「ん？」

「一個な、頼み事があんねん」

「頼み事？なんや急に、金ならやらへんぞ」

「んな事要求せんわ！……さっきの撮影待ってる時なんやけど」

「あー、うん」

「淳太、ちょっと震えとったやろ？」

「え…」

なんで…

「…今の俺には照史がおる。やからしげ、淳太を頼んだで」

トンと肩を叩かれ、濵ちゃんは支度を始めた

…なんや、それ…

「…淳太の気持ち知っとったんか」

「…………」

「答えろやッ！！」

演技じゃなく、久しぶりに怒鳴った

こんな声出たんやって自分でも驚いてるけど、今はそれどころじゃない

手を止めて俯きながら濵田はボソッと言った

「……知っとった」

「……ッぉまえ！！」

いつぶりやろ自分の意思で胸ぐら掴んだん

濵ちゃんは何も悪ない。照史やって淳太やって…

これはただの八つ当たりや。

濵ちゃんにそんなつもりがないのは分かっとる、分かっとるけど…

淳太の今までの気遣いも表情もさっきやって全部全部、こいつを想ってやのに

何故か高みから見物されてるようで、また差を感じて

それが物凄く…

「…っしげ…」

「…っぁ……ごめん、…頭冷やしてくるわ…お疲れ」

パタン…

「………最っ悪ゃ…」

…悔しい。