熱。 ページ3
「ん、んん……」
「あ、起きました？」
「あ、れ…」
目を開けると真っ白なタイルの天井が見え、横をむくとシゲと照史が居た
「おはよ、淳太君」
「照史…しげ……」
「あぁ！起きんでえぇ起きんでえぇ、まだ寝とき」
「俺…」
「廊下でしゃがんでたんすよ、立ってるのも辛いくらい我慢してたんすね」
あ、…ヤバい、シゲ、怒っとる…
「…ごめん、なさい…」
「まぁまぁ、でも淳太くん、次からはちゃんと言ってや？」
照史…
「…うん」
「じゃあ俺、スタッフさん達とかに言わないけんから行ってくるな。じゃ淳太くん、安静にな？」
え、嘘やろ…今の状態でシゲと二人とか俺死ぬんやけど…
あぁぁ…照史…
恐る恐るシゲの顔を見ると、ニコリとも笑ってない…
「体調はどうなんすか」
「あ、大分…楽になったで」
「そうっすか、…」
掛け布団握っていた俺の手をぎゅっと握り、はぁ〜…とデカいため息をつくしげ
「良かった……無事で…」
そこで俺はようやく自分の侵したことを理解した
めちゃくちゃ心配させたんやな…俺、
今思い返せば、あんなのいつもの俺じゃなかった。俺が逆の立場だったら無理矢理にでも医務室に連れてく
アホや、俺…相方にも後輩にもこんな心配させて、どっちが先輩か分からんなほんま
「しげ…ごめんな、心配させて」
「ほんまですよ、ごっっつ心配しました」
「でも…ほんま、目覚ましてよかった…」
「……何ニコニコしてんすか」
少し睨んだような目でシゲは言った
でも嬉しいやん、こんなにも慕ってくれてる後輩がおるんやで？どうしても口角は上がってまう
「んふふ、俺にもこんな後輩が出来たんやなぁって」
そう言うとまたため息をひとつしてシゲが言った
「当たり前でしょ、好きな人がこんなんなってんのに平気な方が可笑しいですよ」
驚いた、シゲって案外ストレートに言うんやな
「な、なんすか」
「いや、お前よう見るとカッコええな」
やっぱジャニーズやんやな、肌が綺麗やし顔も整ってる
「え…」
「ははっ、なんやなんか少女漫画みたいでキュンときたわ」
「え…？！」
「お前に惚れられた女子は幸せもんやな」
「………は？」
あーやばい、また眠なってきた…
「悪い、眠なってきたわ。もう一眠りするわ」
「え、ちょ…」
そんなことを思ってた俺は数年後、この可愛い後輩に告白されることをこの時の俺は想像もしてなかった
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作者名：ありやまGirl | 作成日時：2020年5月20日 8時
