赤と黄。 (ページ20)

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恋愛ルール。ページ20

昨日淳太とご飯に行った

「しげ……俺…のんちゃんと別れた」

よっ…しゃっ…！声に出しそうな思いを何とか抑える

やっと、やっとこの時が来た

小瀧を騙して2ヶ月半。やっと別れた

俺は今まで徹底的にやってきた

小瀧と浮気をしながら淳太の相談に乗り、浮気相手が俺だとバレないように淳太に近づきドンドン引きずり込む

淳太の中で俺という存在をでかくしていき、別れた時に一気にかっさらう

割と酷いけど彼氏おる子に近づくにはこれしかない

自分の席を立ち淳太の隣に座る

最初はニコニコして飲んでたお酒も、飲む回数が減ってき、それに比例して淳太の涙がポタポタと落ちてきた

「し、っ…げ……俺っ……おれっ……」

「大丈夫や、淳太は何も悪くあらへん」

淳太を抱き寄せて腕の中に収める、淳太もメンタル的にもう限界だったのだろう。一層泣き喚いた

「淳太…」

大丈夫、大丈夫や

もう淳太は悲しまんでええ、俺が傍におるからな

暫く経って少し落ち着いたようだ

トンと胸板を押され淳太が顔を上げた

当然だけど目元が赤い、それを親指でスっと擦ると力なく笑った

ギュっと何かを掴まれた感覚になった

不意打ちはあかんって…

「ははっ…しげが彼氏だったら良かったわ」

俺は淳太の頬を包み、手を重ねた

「淳太…それ、ホンマにしちゃあかん？」

「ぇ…」

淳太を壁に追いやって壁ドンの状態になる

顎を掴み目線を外させない

「淳太…好きやで」

「しげ…」

「淳太は俺ん事嫌い？」

「ち、ちがっ…嫌いや、ないけど…」

「じゃあ好き？」

「……」

ずるいなぁ…

「じゃあ、試そか？」

「な、何を…」

「キス、」

「な、っ「嫌なら、突き飛ばしてええから」……」

次第に近くなっていく、10cm、5cm…もうゼロ距離まで来た

「…ホンマにするで？」

「……」

やから、無言はずるいってぇ…

ふにっと唇に触れた柔らかい感触、

やばい、１回しただけやのにもう一回っていう欲が湧き出てくる

淳太の顔を見ると耳まで真っ赤にして、酔いからか目がトロンとしてて…ドキッとした

「…嫌、やった…？」

そう聞くと首を小さく横に振った

「…なぁ、もっかい…してええ？」

「……うん…」

もう一回、もう一回とだんだん無我夢中になっていく

やば、歯止めきかんくなる、あかん。

「…？…し、げ…？」

蕩けた顔で見つめてくる淳太の目は確かに熱を持っていた