赤と黄。 (ページ17)

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気付かないふり。ページ17

え……？

淳太君は少し睨んだが顔は真っ赤で、しげはしてやったりと言わんばかりの顔でニシシと照れ笑いをした

お互いの目が、顔が…メンバーにも、もしかしたら家族にも見せたことの無いような相手を想う顔

そこの空間だけは、俺でも立ち入れないような二人だけの空間やった

溢れ出る幸せオーラに甘ったるい空気、2人のした事、表情がその証拠

俺は静かにその場から去った

正直、安心しきっていた。

ずっと一緒やったからこれからもそうやって

辛い時も、嬉しい時も一緒に立ち向かって、幾度となく乗り越えてきた

それは他のメンバーも一緒やし、家族やってそう。

でも、やっぱり一番に思い浮かぶのは相方の顔で、一番落ち着くのも緊張するのも淳太君の隣りやった

プラスとマイナスで成り立ち、支え合って歩いてきて今では目だけでの会話もなんとなくで互いの全てがわかる

故に、見たくない部分も見えてしまった

撮影でも見せたことのない顔

その顔の向ける先が俺ではなくしげという事実に、胸が張り裂けそうになる

今更気づいた

今やっと、目を向けた

余裕をぶっこいてた自分に油断してた自分に、腹が立った

「っ…アホっ…！…」

吐かれた言葉は誰に届くわけでもなく、空気として消えていった