俺が私が嫌いなの？(青) (ページ14)

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『えみ、俺の事嫌いなん？』

「えっ」言葉が出ない。そんなこといきなり聞いてくるなんて・・・

『俺んこといっつも避けとるやろ』

「えっ」そんな風に思ってたんだ。

安田君に言われると何でだろう泣きたくなってくる。

『亮とはいっつも楽しそうやん？亮と俺の時と、態度が違いすぎるやろ？亮が好きなん？』

「亮は家が近くて、幼馴染って感じだから・・・。それに私の事わかってくれてるから・・・。」

『ふ～んじゃあ他の奴とは話すのに、俺のことは避けとるやん？何で？そんなに俺が嫌

いなん？』

嫌いじゃないよ嫌いじゃないよでも言葉にできないよ好きだなんて。

嫌いじゃない事を伝えるために、大きく首を横に振った。

『前に渋やんがえみに怒鳴って俺止めたこと事あったやん？』

あのショックは今もまだ・・・立ち直れていない・・・

『あん時ごめんな。えみ次の日学校休んだん完全に俺らのせいやろ

ずっと誤りたかってん。』わかってたんだ。それが原因で休んだこと。

俯いたままの私に安田君は話を続ける。

『あの前の日、えみ亮と一緒に帰ってたやろ。俺が亮って呼んだらえみいきなり走り出して

俺を避けるように帰ったん覚えてる？俺どんだけ傷ついたか・・・。』

「えっ傷ついた？安田君が？」驚いて顔を上げる。

『やっと俺の名前呼んでくれたな。』ちょっとはにかんで見えた。ドキッとした。

あの日安田君を傷つけてたなんて・・・

話したくなかったけど、

「その日私も傷ついてたから・・・」とだけ話した。

何も話さなくなった私に、

『それって俺が関係してるん？』って聞いてきた。

今度はゆっくり縦に首を振る。安田君は考えているみたいで、何も話さなくなった。

この沈黙が苦しくなって私が話す。

「私、理数系が苦手なの。あの日渋谷君とあいつ数学全然あかんなって笑ってるの聞えたから

・・・。私安田君みたいに頭良くないし、自分に全く自信がない。

それに・・・安田君にだけはそんな風に思われたくなかった・・・。」

『何で？』

「安田君にはわからないよ・・・私の気持ち。

あの日は会いたくなかったから・・・だから逃げた。

でもそれで安田君が傷ついてたなんて知らなかった。ごめんなさい。」

知らなかった。そんな風に思ってたなんて。