【文スト】きっと全部。

27:きっと全部。 ページ27

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私は一体、何を根拠に自分は許されると思ったのだろう。





謝罪の言葉を口にしたところで、Aが許してくれないことには何の意味もなさない。





そんな簡単なことすら、私は判っていなかった。






「A、」


『違うんです、、太宰さん、』






目の前の少女は泣いていた。




私が悪いんです、と何度も何度も繰り返しながら。





『太宰さんは、悪くないんです、、全部私のせいなんです、』





Aの心は思った以上に乱れていた。




私は何を云って善いのか、判らなかった。





『私が可笑しくなったから、一緒にいてくれなかったんですよね、』






そんなことはない、嘘でもそう云った方が善いのだろうか。




どうせこの子は判っているのに。







『判ってたんです、このままじゃ、太宰さんのそばにはいられないって、』





可笑しくなってしまった自分は、貴方に迷惑をかけてしまうから、とAは云った。





この子も私も、自分にだけ非があると思っていた。





だから再会してから、変な距離があったのだ。





決してAは悪くない、私はそう思うが、彼女は逆を思っている。






『でも、、此処に戻ってきてしまった、』


「A、、君は」





Aは唐突に離れたはずのヨコハマに戻ってきた。





ずっと、深い意味はないと思っていた。





でも、違う。




この子は昔から、強い子ではなかったのだから。






『寂しかったんです、』





あぁ、やっぱりそうだったのだ。





泣き虫で、一人では何もできない弱いA。





彼女の心がここまで悪化してしまったのもきっと全部。





私が側にいてあげられなかったことから生じた"寂しさ"からなのだろう。






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