125:決着の時。 ページ6
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No side
「潮時ですね」
ある喫茶処で命令の符丁となっているラジオを聴いていたドストエフスキーは立ち上がり、次の攻撃を考えながら歩き出した。
そしてふと視線を流したところで、ありえないものを目にする。
「やァ、善い喫茶処だね」
『流石に驚いた？』
そこには、椅子に腰掛けた太宰とA。
いるはずのない人物だったのだ。
「実際、極限下の一手だったよ。だが、かの『魔人』を欺くには並の手では足りないと判っていた。
これが、、私の一手だ」
「久しいな、《鼠》」
そこにはまた一人、ありえない人物、フィッツジェラルド。
ドストエフスキーは狂気的かつ愉快そうに笑った。
「あぁ、素晴らしい。『神の目』ですね…？」
太宰は街中の監視映像を統合する無謬の眼、その力でこの場所を見つけ出した。
フィッツジェラルドの力を借りる条件は、掠め取られた隠し資産を取り戻すこと。
「手離れした金に興味はないが、《鼠》に盗まれたまたでは小癪でな」
彼がそう云ったその時、ドストエフスキーの背後に武装した集団が現れる。
敗れたかと思われた今回の作戦は、太宰の読み勝ちだったのだ。
そして太宰とAには聞き慣れた声が聞こえた。
「後は我々が引き受けましょう、太宰くん」
いつものスーツ姿で現れた安吾は、いつも以上に真剣な表情であった。
特務課の一人がドストエフスキーに手錠をかけようと彼に触れようとする。
「待て！其奴に触れるな！」
太宰が叫ぶが、時既に遅し。
不吉なドストエフスキーの笑みと共に、触れた人物は倒れる。
「死んだ」
フィッツジェラルドのその言葉にAは眉間に皺を寄せた。
「妙な動きがあれば、即射殺します」
「ええ、行きましょう」
ドストエフスキーは手を後頭部に付け、歩き出す。
全ての銃口は、彼に向けられていた。
『安吾、気をつけて』
「ええ、有難うA」
特務課とドストエフスキーが見えなくなったところで、フィッツジェラルドが口を開く。
「探偵屋、奴の異能が判るか？」
「……いや」
太宰の口は重々しく開かれる。
彼の異能については誰も知らない。
知らないが故に、闘いづらい。
こうして《鼠》との闘いは、幕を閉じたのだった。
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あま - ろろみやさんの小説の書き方が好きすぎます…更新楽しみにしてます！！ (6月11日 14時) (
レス) id: 5e7c571022 (このIDを非表示/違反報告)
K_564_(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。楽しみにしてます。 (2021年9月15日 8時) (レス) id: fc84761046 (このIDを非表示/違反報告)
リコリス - 最高です！！ガチで好みドンピシャでこれからも応援しています！ (2020年12月20日 22時) (レス) id: 1d622cff2e (このIDを非表示/違反報告)
なつ - 応援してます！続き楽しみにしてます！ (2020年12月8日 18時) (レス) id: 20aa66a13b (このIDを非表示/違反報告)
にし - コメントはしたことなかったですがずーーっと応援しています。是非続きをかいていただきたいです。待ってます。 (2020年10月11日 14時) (レス) id: 9522be8e35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろろみや。
| 作成日時：2017年10月1日 0時
