123:仲間の信頼。 ページ4
.
太宰side
『繋がんない』
トラックの中、Aは敦くんの携帯とパソコンを繋ぐのに苦戦していた。
潜窟が炭鉱跡にある為、電波が届きづらいのかも知れない。
「急いでくれ、A」
『黙ってて』
私は機械の扱いにそこまで慣れていない為、こういうことはAに任せるしかない。
本人も一分一秒を争うこの状況に、苛立ちを覚えているようだった。
『治、此れで繋がる』
「流石だよ」
数分の時間をかけて漸く繋げてくれたAの頭に手を乗せ、パソコンと向き合う。
キーを一つ押せば、容易に敦くんと繋がることができた。
「敦くん?ああ、漸く繋がったか」
《太宰さん!》
繋げたのは私だ、と冷たい視線を感じたが、今回はスルーしておくことにする。
「花袋くんから聞いたウイルス異能者を追っているね?奴のウイルスは傷口から感染し、高熱と目眩で直立すら困難になる。
掠り傷でも受けては駄目だ」
見たところ、彼らは何かに乗って目的の異能者を追っている最中だったよう。
状況は悪くないように見えた。
「首魁たるドストエフスキーは私に任せろ。ウイルス異能者を絶対に逃がすな」
要件を告げたその直後、タイミングよく敦くんとの回線は切れた。
後のことは彼らに任せるしかないだろう。
『龍兄はウイルスに感染してる』
「…あぁ、そうだね」
敦くんとの会話の最中、芥川くんが映ったのはほんの数かな時間。
その一瞬でも、Aは嘗ての仲間の異変に気付いていた。
『治は、大丈夫だと思う?』
「そう思っていなかったら、私は彼らを組ませてはいないよ」
Aの問いに、私は自信を持って答えた。
彼らなら、確実にすべき事をやってくれる。
絶対に、だ。
「芥川くんを信じてあげなよ」
『判った』
その言葉と共に、Aの表情が僅かに変わる。
彼を信じ、自分のすべき事を成し遂げようとしているのだ。
「次は谷崎くんに繋いで」
『人使いが荒い』
そうは云いつつも、手は既に動き出している。
多くのものが掛ったこの闘い。
決して負けるわけにはいかないのだ。
.
テスト終わりましたので、更新します!
825人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あま - ろろみやさんの小説の書き方が好きすぎます…更新楽しみにしてます!! (6月11日 14時) (レス) id: 5e7c571022 (このIDを非表示/違反報告)
K_564_(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。楽しみにしてます。 (2021年9月15日 8時) (レス) id: fc84761046 (このIDを非表示/違反報告)
リコリス - 最高です!!ガチで好みドンピシャでこれからも応援しています! (2020年12月20日 22時) (レス) id: 1d622cff2e (このIDを非表示/違反報告)
なつ - 応援してます!続き楽しみにしてます! (2020年12月8日 18時) (レス) id: 20aa66a13b (このIDを非表示/違反報告)
にし - コメントはしたことなかったですがずーーっと応援しています。是非続きをかいていただきたいです。待ってます。 (2020年10月11日 14時) (レス) id: 9522be8e35 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ろろみや。 | 作成日時:2017年10月1日 0時