14:二人部屋。 ページ14
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ある日の夜、久しぶりに僕は一人で部屋に入った。
鏡花ちゃんは、与謝野さんと仕事で今日は帰ってこない。
つまり今日はこの部屋に僕一人である。
暗い中手探りで電気のスイッチを入れる。
「ヒッ」
『やぁ、敦くん。待ってたよ』
何事もなかったかのようにひらひらと手を振るAさんに僕の心臓は悲鳴をあげた。
いくら彼女が自由に部屋を出入りできるとはいっても、電気をつけたらいるなんて想像もしていなかったからだ。
「な、何でいるんですか！」
『鏡花ちゃんがいなくて敦くんが寂しがるかなーと思って』
彼女の現れ方はいつも唐突のような気がする。
クスクスと笑うAさんを見ていると、それは僕を驚かせるためにわざとやっているのではないかと思った。
『敦くんほら、お化けとか出たら怖くて泣いちゃうでしょ？』
「目の前にいるじゃないですか！」
『寝る前には絵本読んであげるよ？』
「いらないですって！」
だんだん面白くなってきて、僕も笑った。
そして、考えてみて思った。
一人で寂しいのは、Aさんなんじゃないかなって。
僕以外の人に彼女は見えないし、僕は一人でここに住んでいる訳じゃないから、いつも話し相手になることはできない。
そう考えたら今日一日くらい、一緒にいてもいいかな、なんて。
『明日の仕事、太宰と国木田さんと三人でしょ？』
「そうです。結構危険とか云われたから心配で」
『私もついて行っていい？』
「え、」
寝る前、次の日の話をしているとAさんは変わったことを云った。
どうせ他の人には見えないんだから、許可なんて要らないはずなのに。
「良いですよ。ただ、怪しまれると厭なのであんまり話しかけないでくださいね」
『それは勿論判ってるよ』
親指をグッと立てていたずらに笑うAさんに、僕は約束ですよ、と答えた。
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まー - 本当に感動しました。最後は涙が止まりませんでした。こんな素晴らしい作品をありがとうございます (2018年8月8日 15時) (
レス) id: ab7b5460c2 (このIDを非表示/違反報告)
翠衣(プロフ) - 本当に本当に素晴らしい作品でした！完結おめでとうございます！これからも頑張って下さい！ (2018年3月27日 1時) (レス) id: 4fc9219ff5 (このIDを非表示/違反報告)
ピロウ(プロフ) - 夜分にすみません、完結おめでとうございます！途中何回も何回も高評価の星を押しちゃうくらい、大好きな作品でした。最初から最後まですごく綺麗なお話で、本当に尊敬致します。これからもお身体に気をつけて、ご自分のペースで頑張ってくださいね！ (2018年3月27日 0時) (レス) id: aafbc19e8e (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - ゆーさん» わわわ、ありがとうございます！！最近スランプであまり話が浮かばなくて、更新遅いんですけど頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2018年3月25日 23時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - コメント失礼します！ろろみや。さんの作品大好きです！！！！他のもみてます！！これからも更新頑張ってください！ (2018年3月25日 1時) (レス) id: b0013dea70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろろみや。
| 作成日時：2018年2月17日 18時
