検索窓
今日:29 hit、昨日:4 hit、合計:219,962 hit

21*:友人たち。 ページ21

.





「やあ、どうも。お先にやってますよ」





何時もの酒場には既に安吾がいた。






太宰、織田、Aは空いている席へと座る。






何故彼らがここに来たかというと、病院から出て行った織田が芥川を連れ帰った後、太宰との話し合いにより、安吾に会うためだ。







勿論、ミミックの情報を得ることが目的である。






ここに安吾が現れると知っていた理由は、安吾のメッセージに太宰が気づいたからだ。






「ここで呑める事はもう二度とないと思っていました。私はツイてる。そして友人三人にも、そのツキをお裾分けしたい」



「潜入捜査官にしては感傷的じゃあないか」






太宰はさらりと云った。






Aは黙って先に出されたジュースに口を付けた。






「流石ですね」






安吾は、すぐには反応せず、あるかないか程度の笑みを顔に漂わせてぽつりと云った。







彼は、内務省異能特務課のエージェントとしてマフィアの動向を監視し、報告することを仕事としていたのだ。






そして太宰は、すらすらと種明かしをしていく。







「薄給の国家公務員としては、全く割りに合わない仕事でしたよ」



「つまり安吾は二重間諜ではなく、三重間諜だったという訳か」







渋い顔で笑った安吾に、織田は云った。







織田も、大体は判っていたとしてもそこまでは知らなかったのだ。






「そうだね」





太宰は頷いた。






「さて、私が調べた限りでは真相はこんな所だ。辛気臭い話は終わりにして、一杯やろうじゃあないか」






そっと、彼らの前にも杯が置かれた。






いつもならその後に乾杯があった。






だが今回はなかった。







おそらく二度とないだろう。







静かな店内に、小さく、グラスがぶつかる音が聞こえた。






Aが太宰のグラスに自分のグラスをわざとぶつけたのだ。







太宰はそっと、Aの頭に手を乗せた。








.

あっ、ちょっ、太宰さん、誕生日…

22*:写真の中。→←20*:借りとは。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (201 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
358人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ろろみや。(プロフ) - エンジョイ勢さん» うわわ、本当ですね!!!ご指摘、ありがとうございます!! (2017年8月18日 23時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
エンジョイ勢 - 夢主ちゃん、めっさ可愛いですね。訂正させて頂きたいのですが33の今までの○○なら絶対云わないの今までが今でになってますよ?更新頑張ってください! (2017年8月18日 22時) (レス) id: 670574c7a9 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - ムクさんさん» ありがとうございます!続編もよろしくお願いします! (2017年7月3日 1時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
ムクさん - スッゴくおもしろいです。がんばってください (2017年7月3日 0時) (レス) id: 76af138a5e (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - YYYさん» 応援ありがとうございます!読んで頂けて、嬉しいです!! (2017年6月4日 22時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ろろみや。 | 作成日時:2017年6月3日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。