検索窓
今日:5 hit、昨日:31 hit、合計:265,597 hit

7:入社試験にて。 ページ7

.





来るはずの痛みが来ず、敦はゆっくり目を開けた。





「莫迦だとは思っていたが、これほどとは」


「自 殺愛好家の才能があるね、彼は」


『太宰さん二号の誕生を見たようです』






目の前には、呆れた様子の国木田、クスクスと笑う太宰、ドン引いた様子で敦を見るA。




そして、そんなAが云っていた爆弾魔と、それに抱きつく人質。





まぁ詰まり、これは敦の入社試験である。




試験は、彼が皆を守るため爆弾に覆い被さった時点で終了。




結構ハードな内容だったと思われる。





「小僧、恨むなら太宰を恨め。若しくは仕事斡旋人の選定を間違えた己を恨め」


「そう云うことだよ、敦くん。つまりこれは一種の入社試験だね」





敦は未だ状況が理解できていなかった。




ただ太宰の言葉を繰り返したところで、威厳のある低い声が耳に入る。





「その通りだ」




武装探偵社社長、福沢諭吉だ。




『あ、おはようございます、社長』


「しゃ、社長!?」




風格に佇まい、全てに威厳を感じさせる福沢は、一度敦を見て、腕を組む。




ゆっくりと間をとってから、口を開いた。




「そこの太宰めが「有能なる若者が居る」と云うゆえ、その魂の真贋試させて貰った」





何せ、敦は区の災害指定猛獣である。




そんな彼を保護すべきか、探偵社内でも揉めたのだ。




それを社長の一声でこうしたのだ。





「で社長、、結果は?」


「太宰に一任する」





そうとだけ云い残して去っていった福沢。



その空気に、敦は言葉を発する事ができなかった。





「合格だってさ」


「つ、つまり…?僕に斡旋する仕事っていうのは此処の…?」


「武装探偵社へようこそ」




敦は全身から冷や汗が流れ出るのを感じた。





彼が最初に出会ったのは、国木田、太宰、Aである。




何せ、問題児ツートップが居たのだ。




自 殺愛好家の太宰に、全てにおいて読めないA。





敦の不安は当たり前の事なのだ。




『やりましたね潤一郎くん、迫真の演技でしたよ』


「ありがとうA、だけど、タイミングズレてるよ」





敦の入社が決まってすぐに、敦ではなく谷崎を褒めたA。




褒める相手を間違えている。




『敦さん、これで私の仕事が減りますね』


「いや、僕は、」




この女、この大事な状況の全てにおいて、話の論点がズレている。





.

8:前職中て。→←6:変人の女。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (296 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
403人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ろろみや。(プロフ) - のりばやしさん» 本当ですか?!是非ともよろしくお願いします! (2017年12月19日 7時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - 主人公さんをかかせていたたけないでしょうか? これからも更新がんばってください!! (2017年12月18日 22時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - 龍愛さん» ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです!更新、頑張ります! (2017年10月19日 0時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
龍愛(プロフ) - ろろみや。様の作品を初めて拝見させていただきました!とっても面白いです!!私の好みの作品です!更新、頑張ってください! (2017年10月18日 22時) (レス) id: a85de7e0fb (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - ぽっぽさん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2017年10月16日 23時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ろろみや。 | 作成日時:2017年10月9日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。