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この日、正直俺は死ぬのだと思った。
俺だって人間だし、最強ではない。
それは彼奴も同じだった。
「おい!しっかりしろ!」
伝えられた規模と違った敵組織に、外れた予測。
倒れた彼奴は呼吸をしているのかも判らないほどに、動かなかった。
そして、俺の体も動かなかった。
俺の横に立つ男が、短刀を振りかざしたのに気付いた。
ここで終わりか、、
諦めは悪い方だと思っていたが、案外そうでも無いらしい。
どうしようもできないこの状況で、起こるはずもない奇跡に縋ろうとは思わなかった。
が、痛みはいつまでたっても来ない。
金属音を立てて、短刀が床に落ちた音が聞こえた。
俺の周りを囲む敵は、ゆっくりと倒れていく。
敵も俺も、視線を注ぐのはただ一人だった。
『其奴に、触るな』
たった一言だった。
だがそれだけで伝わった。
ポタポタと滴り落ちる血を気にすることもなく立ち上がる其奴が、怒っているということに。
『異能力、__________』
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あ2み(プロフ) - すっごく深いお話ですね、思わず泣いてしまいました。文才もあって内容も素敵で読みがいがあります。素敵な作品ありがとうございました! (2018年1月21日 19時) (レス) id: a91b06e269 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - とても素敵なお話でした!ジーンと来ました! (2018年1月21日 10時) (レス) id: 01d2c8bc81 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - いい話で泣いてしまいました! (2018年1月21日 9時) (レス) id: 4724cc677a (このIDを非表示/違反報告)
★★ - とてもいいお話でした!!(つд⊂) (2018年1月21日 4時) (レス) id: 800725f97d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろろみや。 | 作成日時:2018年1月20日 22時