【ヒロアカ】はなむけ (ページ3)

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個性はあるよ。けど大したものじゃないの。
そんな言い訳をしながら小学校、中学校を卒業した。

小学生の頃は嫌で嫌でしかたなくて、毎日泣いていた。
けれど中学に入学する頃には何となく受け入れている節があった。
多分、逃げられないと理解したからだろう。

高校は雄英高校への入学が定められていた。
雄英は推薦、一般共に実技試験がある。
だが私は、特例も特例。
存在もしない国からの特別推薦で、筆記試験も実技試験もなかった。

学校側も私のことを聞いたのだから、断れるはずもなかったのだと思う。
絶対に何があってもヒーローにしなければならない存在。
そんなもの、雄英のヒーロー科しか受け入れられなかったのかもしれない。

高校に入学すれば、授業での個性の使用を認められる。
それは私も例外ではなかった。

だからと言うわけではないのかもしれないけれど、近場での監査役が必要だったのだ。
そしてそれに選ばれたのが先生たちに加えて、幼なじみ2人だった。

入学直前、緑谷出久と爆豪勝己は私について知った。
2人の反応については見ていない。
だけど話に聞いたものだと、納得していたようだ。

私だけでなく、クラスメイトたちも私の個性については口外を禁止された。
みんなには迷惑をかけたと思っている。

ヒーローとしてデビューするまで公にできない私は、職場体験にもインターンにも参加することが許されなかった。
必要な免許の取得に関しては、別日程で個別に行われた。

学校の期末試験は筆記だけ。
実技は免除された。
私だけが、苦労をせずに成績を残した。

高校生になって、私はわかりやすく特別扱いされるようになった。
それはヒーローに近付いたということを意味していた。

ヒーローになっても、きっと特別扱いされる。
なくてはならないものとして重宝される。
それを知っていたから、乗り越えられた。

交友関係には恵まれていたと、そこは今でも胸を張って言える。