>>18 ページ18
｢……教えろよ。頼むから、
俺に隠し事とかすんなよ……｣
声を震わせながらそう言った。
今にも涙がこぼれ落ちそうな彼の目を見て
自分に嫌気がさした。
またホソクにこんな顔させて……
正直に言わないと
もっと自分が醜くなりそうで。
もっとホソクを傷つけそうで、急に怖くなった。
｢……ここならユンギひょんには聞こえないから｣
低く呟いたホソクが目を伏せると
一筋、涙が頬を伝った。
｢ホソク……泣かないでよ｣
ホソクは掴んだ私の手首を見つめたまま
また一筋、涙が溢れて頬を濡らした。
わたしに言われてはじめて
自分が涙を流したことに気づいた様子で
ごまかすように
ホソクはその場にしゃがみこんだ。
やっと解放された私の手は
少し赤くなっていた。
袖口で乱暴に涙を拭うホソク。
やっぱりホソクには隠しちゃだめだ。
ちゃんと伝えないと。
今わたしの胸がこんなに苦しいのは
ちゃんと正直に話せばそれで楽になる。
このままじゃ
ホソクの顔これから見れなくなっちゃう。
また、
自分のことばかり考えている自分に嫌気がさす。
｢A、言えよ……
ほんとに付き合ってんのかよ。
ほんとに……俺……
俺、お前のこと好きなんだよだからっ……
お前に俺よりも仲いい男がいるなんて
そんなの嫌だからっ……｣
声を詰まらせながら
止まらない涙もそのままに
ホソクがそう言った。
声は耳から脳に届いたのに
いつまでもぼんやりして整理できない。
ホソクが私のこと好き？
胸の苦しさはさらに重量を増した。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←>>17
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：櫻子 | 作成日時：2015年12月4日 1時
